【新年インタビュー】トヨックス 中西誠社長

2021年01月09日

ゴムタイムス社

 

中西誠社長

中西誠社長

■ 新年インタビュー

お客様の問題を解決する商品を提案

トヨックス 中西誠社長


 

 「ホースドクター活動」を通じ、お客様のお困りごとを解決している耐圧樹脂ホース・専用継手メーカーのトヨックス。コロナ対策やホース分野の動向、新年の目標・抱負などについて中西誠社長に尋ねた。

 ◆20年を振り返って。
 新型コロナという想定しえないことが起きた。20年12月期業績は減収減益で着地する見込みとなり、厳しい1年になった。ただ、海外拠点の中国は昨年を上回っているほか、ホースの生産拠点のタイも昨年並みを確保している。コロナ禍で市場環境は厳しいが、海外スタッフの熱心なソリューション提案活動が評価されたと思います。国内も年後半から緩やかな回復基調で推移している。

 ◆コロナ対策について。
 新型コロナというパンデミックが発生し、全社を挙げてBCP対応にあたっている。国の施策に則り、3密回避に向けしっかりとした対策を行うとともに、工場では特別な班編成を敷き、万が一の場合でも安定操業できる環境を整備した。また、どうしても出張が必要な場合には会社負担でPCR検査を行い、結果が出るまでの最低2日間は在宅勤務する措置も実施している。

 ◆ホースドクター活動について。
 コロナ禍でユーザー様に訪問できない状況のなかで、海外スタッフの提案によりホースドクター活動のリモート版を開発した。ホースドクター活動は実際にお客様に出向いて、ソリューション提案などを行う。これに対しリモート版は動画などを活用しながら、ユーザーのお困りごとや新商品提案を行っている。リモート版は海外のお客様から始めたが、ユーザー様や流通様からも大変好評をいただいたので、日本でもリモート版の活動を始めた。今後はリアルでの訪問とリモートを上手くミックスさせた「ハイブリッド型」のホースドクター活動を磨いていく。

 ◆ホース分野の動向は。
 汎用品の落ち込みを機能品でカバーしている。ソリューション提案が実を結び、機能品をユーザー様が知っていただく機会が増え、機能品の採用は着実に増えている。
 新商品についても、20年は6月に「トヨシリコーンスチームホース」「トヨトップ-E100℃ホース」を発売した。いずれもこれまで現場でお困りになっていた問題を解決できる商品として、ユーザー様からも評価が高く、手応えを感じている。現場の問題は山積している。これからも問題を解決できる商品提案を愚直に行いたい。

 ◆新年の目標と抱負を。
 21年12月期の売上は前期比2桁増を目標にしている。市場の見通しは、ウイズコロナが各社共通のキーワードだろう。そのほかに懸念されるのが米中貿易摩擦だ。先行きは依然不透明で、厳しい1年になりそうだ。
 その中でも今年はホースドクター活動をさらに進化させる年にしたい。新商品を発売し、ユーザー様の満足度を高め、流通様にもソリューション事例などご提案し、情報をお届けする。従来の市場を守りながら、新たな市場を切り拓きたい。

■アングル■
 イタリアのフィット社と技術提携を結ぶなど、BCP対策に力を入れるトヨックス。コロナ禍でもサプライチェーンは支障なく、商品を供給できた。また、BCP対策の一環として、工場では自動化投資に力を入れる。「BCPだけでなく、競争力強化への自動化投資は今後も引き続き徹底して行いたい」(中西社長)と説明してくれた。

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