【新年インタビュー】マクセルクレハ 海﨑一洋社長

2021年01月08日

ゴムタイムス社

 

海﨑一洋社長

海﨑一洋社長

■新年インタビュー

成長路線にのせていく年にしたい

マクセルクレハ 海﨑一洋社長


 マクセルクレハの海﨑一洋社長は「高機能シート、耐摩耗製品の販売を工場と営業との連携で強化し、事業を成長路線にのせたい」と語る。海﨑社長に20年を振り返りながら、業績や事業展開などを聞いた。

 ◆20年を振り返って。

 2年前にマクセルグループに加わり成長路線にのせようとした矢先に、新型コロナの影響を大きく受けた年だった。上半期については、シート事業は景気の動向に左右され、4~8月まで厳しい環境だった。型物成形品事業はお客様の需要のアップダウンが激しかった。耐摩耗機材事業では、鉄鋼業界のお客様が中心のため、コロナ前から米中貿易摩擦の影響を受けていたことに加え、鉄鋼業界の再編の影響も大きかった。この結果、売上は前年比約15%減となった。ただし、経費削減や生産性の改善などの効果もあり、コロナ禍で当初想定していた計画より損失を抑えることができた。

 ◆足元の動向は。

 第3四半期については事業別に温度差があり、シート事業は9月から回復基調になっている。売上も二桁マイナスから一桁マイナスまで減少幅を縮め黒字を確保できる見通し。ただ現在、新型コロナの第3波がきており、第4四半期は不透明感が強い。

 ◆中期経営計画は。
 21~23年のマクセルグループ新中期経営計画が始まることに併せて、当社でも新中計を策定中だ。顧客・社会に価値を提供していくことがテーマでもあり課題だ。
 現状、3事業の売上構成比は高機能を含めたシートは4割、精密・型物成形品は4割、耐摩耗機材は2割になっている。
 シートでは、高機能シートに注力していく。たとえば20年に上梓した「フレキシブル印刷用EPDMシート」や「PDMS(ポリジメチルシロキサン)シート」が挙げられる。今後、新製品の販売に注力していくと同時に、配合・成形技術を生かした新たな高機能製品をシート以外にも成形品に展開して行くことも重要になってくる。
 また、耐摩耗機材は今まで砕石や鉄鋼業界などに特化していたが、鉄鋼業界の再編もあり、今後は他の分野に広げていく必要がある。その方策のひとつとして、フィンランドMetso社との提携による新たな商材も加えて需要を伸ばし、耐摩耗機材の売上比率を増やしていく。これらの施策が今後の柱になっていくだろう。

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