【新年インタビュー】十川ゴム 十川利男社長

2021年01月09日

ゴムタイムス社
十川利男社長

十川利男社長

■ 新年インタビュー

中国紹興十川は堅調推移 考え続け種を蒔くことが重要

十川ゴム 十川利男社長


 

 原価低減活動を継続し利益確保に邁進する十川ゴム。十川利男社長に足元の状況や新型コロナウイルス対策などについて聞いた。

 ◆20年を振り返って。

 年初は半導体産業などが米中貿易摩擦などの不振から、春以降には回復すると予想していたが、2月早々からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済活動が停滞してしまった。それにより、営業面、生産面で多大なる影響があり、その対応策に追われているうちに、1年が過ぎてしまった印象だ。

 自動車産業などで生産調整が発生したり、緊急事態宣言以降は全ての産業で停滞感が出た事もあり、販売面では厳しい1年となった。自動車産業は回復基調となっているが、当社では占有割合が少ないこともあり、全体をカバーするまでには回復していない状況だ。

 その中、業績は対前年比売上で一桁代の落ち込みで着地する見込みだ。先行き不透明感も強く、確かな事は言いにくいが、3月期末までこの状態を維持していきたいと考えている。

 ◆新型コロナの影響、対応は。

 不振は全般に亘ったが、自動車、建設機械、家電・住宅設備、医療関係は、特に落ち込みが大きかった。リーマンショック時と比較すると、回復に向けて人が思うように活動できない事がもどかしい。密になることを避ける必要もあり、状況を確認しながら行動しているが、その雰囲気の違いが大きいと感じている。

 感染症対策ではマスク着用の徹底や従業員への検温実施など細かな事を継続していくしかないと考えている。来年の3月まで時差出勤も継続する。それに伴い、ノートパソコンの支給やオンラインのコミュニケーションツールの導入など環境面も整備している。

 ◆中国紹興十川の状況は。

 12月決算なのでまだ通期の業績は出ていないが、売上は前年比110%程度で推移しており、概ね好調を維持している。紹興十川が所在する地域では、新型コロナウイルス感染者が発生しておらず、経済活動の制限が解除されてからは、順調な回復を示している。利益面においても、中国国内の減税措置などの恩恵もあり、対前年比93%程度となり、利益確保を達成することができそうだ。

 売上比率は発足当初は日本向けが100%近くを占めていたが、18年度は中国向けが70%、日本向けが30%と年々中国向けのウエイトが高くなってきており、昨年は中国向けが75%、日本向けが25%となり、目標に近い売上比率に達することができた。

 ◆21年の抱負は。

 来年度は売上を約5%前後回復させ、利益面についても、効率的な設備投資などで原価低減活動を継続し、今年度に引き続き、黒字確保を目指していく。

 コロナ禍の状況の中、活動を停止することはあるかもしれないが、一緒に思考を停止してはならないと考えている。活動のあり方を考えながら、必要だと思う事は工夫を重ねてでもやりきらないといけない。アフターコロナ後の飛躍のために、考え続けて種を蒔くことが重要だ。こんな時だからこそ、新規のアイデアが出る可能性もある。既成概念に囚われず、社員全員で知恵を出し合って、難局を乗り切っていきたい。

■アングル■

「少しでも練習のしやすい環境を整えて、パラリンピック出場の暁には応援に駆け付けたい」と話す十川社長。同社奈良工場製造課には、陸上パラ競技でパラリンピック出場を目指す赤井大樹選手が勤務している。今年4月時点で世界ランキング6位以内ならパラリンピックの出場が決定するとのこと。十川社長は「ランキングもアップしてきているので、社員一同楽しみにしている」と頬を緩ませていた。

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