【夏季トップインタビュー】バンドー化学 吉井満隆社長

2020年08月31日

ゴムタイムス社

■ 夏季トップインタビュー

新事業創出の取り組みさらに加速

バンドー化学 吉井満隆社長


 世界中での新型コロナウイルス感染拡大を受け、「自動車部品事業を中心に大きな影響を受けた」と語るバンドー化学の吉井満隆社長に足元の業績や海外拠点の状況、新事業への期待などを語ってもらった。

 ◆足元の業績は。

 21年3月期第1四半期は売上収益が173億9900万円で前年同期比58億円減、コア営業利益が8400万円で同11億円減となり、かろうじて赤字にならずに済んだ。各事業部門が国内外で積み上げた数字を見ると、減収分の58億円がほぼほぼコロナの影響だった。

 ◆事業別の状況は。

 自動車部品事業は、自動車生産台数が前年比6割程度にとどまったことにより、当社の売上収益も4割程度の減収だった。産業資材事業も1割程度の減収となったが、コア営業利益はプラスとなった。これはゴムコンベヤベルトの今年1月受注分から価格改定を実施し、単価アップにつながったこと、伝動ベルトとプーリも今年5月の価格改定による駆け込み需要があったことに加え、製品ミックスが変化したことなどが要因だ。高機能エラストマー事業は、主要需要先であるOA機器やATM機器メーカーの生産調整が響き、売上・利益とも減少した。

 ◆海外拠点の現況は。

 欧米では、コロナ感染拡大によるロックダウンの影響で自動車生産が大きく落ち込んでおり、自動車部品を中心に大きく減少した。

 アジアでも、タイやインドをはじめ各国でロックダウンが行われた影響で、特に自動車部品事業が厳しい状況で推移した。一方で、産業資材事業については、タイで昨年に落ち込んだカンボジアなど周辺国への輸出向けなどの農業機械用伝動ベルトが回復した。

 中国ではコロナの影響で自動車生産が2月、3月と大きく落ち込んだが、4月には回復し始め、足元はほぼ前年並みの状況だ。

 ◆国内・海外拠点のコロナ対策は。

 国内では、在宅勤務や時差出勤、出勤前の体温測定、就業中のマスク着用や手指の消毒といった様々な感染防止策を講じており、緊急事態宣言解除

 

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