【新年インタビュー】加貫ローラ製作所 加貫泰弘社長

2019年01月01日

ゴムタイムス社

加貫ローラ製作所加貫社長

■ 新年インタビュー

顧客満足高めチャレンジする年へ

加貫ローラ製作所 加貫泰弘社長


 

 加貫ローラ製作所は18年創業から120周年を迎えた。次のステージに向けチャレンジし、キメの細かい密着型営業をさらに強化していくと語る加貫泰弘社長に19年度の見通しや経営方針などについて聞いた。

 ◆18年を振り返って。

 上半期は売上が増収、利益は微減だった。事業別では、印刷用ロールは市場が年々厳しく、後継者の問題、デジタル化、広告・新聞の発行部数の減少が響いた。
 工業用は、前年並みの利益水準を確保し、特に高機能フィルムが好調で、セットメーカーの好調に支えられ売り上げが確保できた。今後は納期対応がさらに重要になってくる。また、原材料費・輸送費の上昇や残業の増加などにも対応策がより必要だ。
 製品別では、e―コアが大きく伸びたほか、セットメーカーの需要増に伴い鉄芯も伸長した。フィルム関係の需要増に合わせ、クリーナー関連も好調だった。
 生産面では、大阪工場の成形部門を全て滋賀工場に移設し完了した。その結果、生産のさらなる効率化を図れるようになった。

 ◆海外の需要動向は。

 中国、韓国とも好調だが、とくに中国の販売は好調だった。ただし、18年は環境規制強化により、危険物の管理、溶剤、音、匂いの面で影響を受けた年だった。

 ◆足元の需要動向は。

 下期も上期と同じ状況が続いており、通年で目標を達成できる見通しだ。
 18年度は3ヵ年計画の中計の最終年度で、目標を下方修正もしたが、結果的に目標が達成できれば、十分成果があったと考えている。3ヵ年計画の策定で会社の方針が明確に社員に伝わったほか、工場移設などで着々と会社が前進している雰囲気が生まれ、社員のモチベーションも向上した。

 ◆御社の強みは。

 昨年創業120年を迎えたが、創業以来、積み上げてきた顧客とのつながりが、当社の強みとなり、事業の基盤となっている。当社の存在意義が今後も続くよう、次のステージに進むことが必要だ。原点に立ち返り、改めてキメの細かい密着型営業をさらに強化していく。

加貫泰弘社長

加貫泰弘社長

 ◆19年の抱負は。

 顧客満足を第一とし、お客様に選んでいただける会社でありたい。19年のキーワードは「チャレンジ」をあげたい。次の3ヵ年計画にもチャレンジを盛り込む。創業120年の歴史を大事にしながら次にチャレンジし、次世代に何を残すべきなのかしっかり考えていく年にしていきたい。

 ◆海外の今後の展開は。

 海外展開の強化を図っており、協定の締結先と価値観の一致を進め、現地スタッフの教育を実施している。優秀な人材も多く、将来は現地スタッフだけで海外の事業所を運営できる形にしたい。

 ◆環境問題について

 時代に即した対応が求められている。製品へのフタル酸フリーやフィルム向けの芯では鉄やメッキ、CFRPなどゴム以外の注文が高まっており、協力企業と価値観を共有して対応していく。

アングル

当面の課題として加貫社長は、働き方改革を挙げた。ローラーは1品1様なので手作りの要素が多いが、可能な部分は自動化にチャレンジし、1人欠員がでたら1人補充するという従来の生産手法を改革したいと話していた。

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