【新年インタビュー】クラレプラスチックス 中島多加志社長

2019年01月10日

ゴムタイムス社

クラレプラスチックス中島社長

■ 新年インタビュー

攻守バランスよく施策を実行

クラレプラスチックス 中島多加志社長


 

 ゴム・化成品、フィルム・ラミネート、コンパウンドの3本柱で事業展開しているクラレプラスチックス。事業別の動向や今年の見通しなどについて中島多加志社長に語ってもらった。

 ◆昨年を振り返って。

 18年12月期の売り上げは漸増、利益は横ばいだった。売上はもう少し伸びると思っていたが、夏場の風水害が輸送に大きな影響を与え、中国や九州地方へ商品を運べない状況が続いた。また、原燃料費や運送費はかつて経験したことのないレベルにあり、その影響で利益は前年並みとなった。

 ◆事業別の動向は。

 まずホース類のゴム・化成品事業は、日本全国のお客様に支えられ、昨年も安定した成長をみせた。製品別では、スマートハウス向け換気ダクトが好調な伸びを示し、土木関係ではセメントを流出させずに排水する導水管「クラドリップ」もトンネル関係で採用が広がっている。

 シート材を中心とするフィルム・ラミネート事業は、特にターポリン関係が輸入品の増加で状況は厳しい。テント用途も市場が大幅に縮小してしまったため、現在はいくつかテーマを決めながら新しい用途の開拓を進めているところだ。

 コンパウンド事業は、ペングリップなど生活資材を始め、スポーツ分野ではテニスラケットのグリップや水泳用ゴーグルのシールド材、家電分野では振動減衰材、メディカル分野では医療用の点滴用輸液の外栓など、多種多様な分野に採用が広がっており、自社で原料を持っている強みを生かして、さらに用途開拓を進めていく。

中島社長

中島社長

 ◆今年の見通しは。

 原燃料費や物流費の上昇傾向は今年も続くだろう。さらにドライバー不足により商品を運べない局面も続きそうだ。その中で大切なことは、いかに輸送インフラを確保しておくかということ。自社で物流倉庫を確保した方がいいのか、あるいは地域の有力なパートナーと提携するのか、地域ごとに輸送インフラの構築を早

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