新春トップインタビュー ニッタ

2012年02月02日

ゴムタイムス社

ニッタ 國枝 信孝社長 -2012年1月1日号掲載-

次世代見据え次期中計を策定へ  グローバルシェア更に拡大

中国に伝動ベルト一貫工場新設

 グローバルシェアの拡大、生産技術の強化、人材育成への注力が図られたニッタ㈱。NO1価値を提供する部材メーカーを目指す國枝信孝社長に今後の事業戦略を聞いた。

 ―11年を振り返って。
 國枝社長 「あらゆる技術の結集と創出を図る」を基本テーマとした3ヶ年の中期経営計画の最終年度に当たり、戦略のスピードアップとグローバル展開、原価率削減に注力し、攻めに転じ、数値にこだわることで業績アップに取り組んできた。
 今上期においては東日本大震災の影響による自動車、半導体関連部品の需要が早期に回復したことに加え、海外ベルト需要、建設機械、工作機械向けの油圧ホース需要が中国、新興国向けに拡大したことから、ステップアップの方向になんとかなった。
 通期の業績見通しは。
 國枝社長 欧州の金融不安、グローバルリセッションによる輸出の減少から見えにくいところがあるが、下期は弟3クオーターが横ばい、第4クオーターは前年同期比10%ダウンとみている。原材料価格高騰の影響額は年間2億5000万円ぐらいの影響があるが、ベルト、ホースの製品価格への転嫁、原価率削減で半分ぐらいをカバーしていきたい。為替円高も下期にはマイナス要因となるが、国内およびタイの復興需要等があり、中間期公表時の決算見込みの増収増益を変えていない。
 海外事業戦略について。
 國枝社長 3ヶ年の中期経営計画の最終年度にあたる今期、25億円の積極投資を行い国内外の生産能力の増強、設備更新を図ってきた。急速に拡大する中国ビジネスに効率的に対応するため上海市に中国事業を統括する中国事業統括会社を設立。
 需要が拡大している中国ではニッタ精密伝動(常州)有限公司の敷地内にゴム練から仕上げまでの伝動ベルトの一貫生産工場を建設する計画でおり、ポリベルト、SEB(スパーエンドレスベルト)を生産、2012年秋口から量産体制に入る。これにより現在、日本から輸出されている中国向けの8割をカバーする。高圧樹脂ホースについても建設機械向けホースの需要拡大に対応、中国常州工場はじめ韓国でも韓国ニッタ・ムアーの生産能力増強に着手した。
 また、成長著しいインド市場ではワークショップとしてのサテライトオフィスを2012年3月にも設立する計画でいる。 日系、現地ローカルメーカーへのサービス、いずれは加工も検討。また、ブラジルにはサンパウロにベルト製品の販売拠点があるが、近く現地法人化する計画でいる。
 原材料動向について。

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