【新年インタビュー】三ツ星ベルト 垣内一社長

2019年01月01日

ゴムタイムス社

三ツ星ベルト垣内社長

■ 新年インタビュー

100周年記念式典を開催へ
上期経常は過去最高を更新

三ツ星ベルト 垣内一社長


 

 19年度中間決算で過去最高の経常利益を更新した三ツ星ベルト。垣内一社長に、昨年を振り返ってもらうとともに、今後の見通しや創業100周年記念行事などについて聞いた。

◆昨年を振り返って

 一昨年は過去最高の利益を更新し、昨年の上半期でも売上は過去最高を更新、原材料費高騰などの影響で営業利益は若干減少したものの、経常利益も過去最高を更新した。

 下半期についても、原材料費、労務費・人件費が上がってきており、業績に影響を及ぼすと考えているが、売上の増加と原価低減などの内部努力を継続することでカバーしていきたい。
 需要状況は悪くはないが、決していい状態が続いているわけでもない。これも全社員が頑張ってくれているおかげだと感謝している。

◆通期予想について

 19年度は売上高が685億円、営業、経常利益はそれぞれ76億円を見込んでおり、上半期の業績を踏まえると十分達成できるだろう。ただ、関税や原油価格に影響を及ぼす中東の問題、米中貿易問題などもあり、先行きが不透明な状況が懸念材料として残るので、固めの予想を維持している。

◆海外の状況は

 中国は先行き不透明な問題も多いため、慎重に対応を進める。東南アジアではインドネシア、タイは業績が良く、工場はフル稼働状態だが、設備の更新等を行い、生産性を向上させていく。インドはコスト面で厳しい状況が続いているので、現有の設備を補強しながら生産性を上げて対応していく。また、日本国内でも海外工場に負けないコスト競争力のある工場を目指していきたい。

垣内一社長

垣内一社長

◆人材不足・働き方改革について

 海外生産比率が75%以上あるので、それほど人手不足を感じることはない。働き方改革でも、社員には、仕事のやり方を見直して欲しいとは伝えている。残業を減らす事が働き方改革ではなく、いかに質を上げるかが重要となる。
 技術面では、今年の春に研修センターを立ち上げた。国内海外問わず研修を行い、技術レベルの向上を目指す。

◆分野別の動向について。

 一般産業用でロボットや射出成形機向けの伝動ベルトが好調だ。国内ではロボットで省人化を図ったり、海外も人件費上昇を理由にロボットを活用する動きが広がっている。

◆100周年を迎えるにあたり。

 まだまだ改革しないといけないことが残っている。良い点はもちろん継承していくが、時代に合わなくなった部分は改善を図り良くしていきたい。
 世界代理店会議が7月に行われるので、それに合わせ100周年記念式典を開催する。その他、創業100周年記念コンサートとしてウィーン・サロン・オーケストラ・ニューイヤーコンサート2019を1月に実施、ショパン展を神戸県立美術館で10月に実施するなど、年間を通して100周年記念行事を開催する。

(アングル)

 創業100周年を迎える三ツ星ベルト。100周年を社長として迎える事について「非常にありがたい事だが、これを通過点だと考え、もう一段会社をレベルアップさせたい」と話す垣内社長。過去最高利益を更新し続ける中でも、気を抜かず上を目指し続ける姿勢が印象的だった。

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