JSRの18年3月期第2四半期連結決算は大幅な増収増益となり、営業利益が5割以上の伸びとなった。小柴満信社長に好調の要因や設備投資の現状、中期経営計画の進捗状況、新年への抱負などを聞いた。
17年度上半期(4~9月)は対面事業である自動車タイヤや半導体、LCDなどの事業環境が良かった。
エラストマー事業は前年度の第4四半期に上昇したブタジエン価格が売価に反映されたため、第1四半期は非常に良かった。第2四半期は第1四半期のブタジエン価格が下がったことで、営業利益率は6%ほどに留まった。
ブタジエン価格は中国の国慶節の前後で大きく変動した。エラストマーは相変わらずブタジエンの価格に翻弄される。ただ、ここ数年に比べれば、事業環境は圧倒的に良くなっている。
◆製品別では。
合成ゴムは、全体的には前年度に比べると需給バランスが良く、足元のブタジエン価格も1100ドル程度なのでまずまずだ。それでも、まだ回復途中ではあるが、今年度の方が良くなるだろう。
合成樹脂は、上期は営業利益が過去最高となった。自動車やアミューズメント向けなどの需要が強く、足元では出荷量が2割ほど増加している。多角化事業では、半導体が絶好調だ。LCDも好調だったが、ライフサイエンスがやや遅れたため、多角化事業全体としてはいまひとつだった。
◆上期の設備投資は。
9ヵ所で拡張・新設を行っている。このうち7つが海外で、海外での事業が拡大していることを示している。主なものはハンガリーのSSBRプラント、メキシコのカーボンマスターバッチ、米国KBIのバイオ医薬品製造設備などだ。
現状は海外売上高比率が6割近くになっている。これらの案件が完成して売り上げが伸びると、3分の2ぐらいになるのではないか。
◆中計の進捗状況は。
思った通りに進んでいる。最重要課題は