~熱可塑性弾性樹脂の分子設計、熱可塑性弾性樹脂の溶融紡糸及び延伸による弾性繊維製造~
受講可能な形式
趣旨
ゴムの代替材料として幅広く使用されている弾性樹脂につき、熱可塑性のポリエーテルエステル系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系を取り上げ、分子設計と樹脂特性の関係、及び弾性樹脂の溶融紡糸による繊維化について紹介する。
分子設計については、架橋点の役割を有するハードセグメント(HS)と室温で融解状態であるソフトセグメント(SS)の組み合わせが樹脂特性に及ぼす影響につき、HSとSSの重量分率と、SSの分子鎖長に依存するHSとSSのモル分率に注目して議論する。
ポリオレフィン系樹脂は立体規則性を低下させることで弾性特性が付与される。
弾性樹脂の溶融成形においては結晶化が加工特性を支配するが、HS分率の低下、立体規則性の低下により樹脂の弾性特性の改善を目指すと結晶化特性は低下する。
本講で紹介する溶融紡糸による繊維化においては、紡糸速度の高速化により高い伸長応力の作用で結晶化が促進され、また、製糸条件と分子設計の組合わせにより繊維の力学特性・弾性回復特性を幅広く制御できる。
SSのガラス転移あるいは結晶化により失われる低温域での弾性特性についても議論する。
受講対象者
高分子材料の分子設計が樹脂の成形加工特性と製品の構造・物性に及ぼす影響に関わる開発を行っている研究者・技術者を主な対象とし、弾性樹脂の特徴について解説する。
日時 | 2025年9月19日10:30~16:30 |
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アーカイブ視聴 | 2025年9月25日~2025年10月9日 |
講師 | 鞠谷 雄士 (東京科学大学 物質理工学院 特任教授) |
講師略歴 | 2020年3月 東京工業大学物質理工学院教授を定年退職(名誉教授) |
受講料 | 45,000円/1名(税別) |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | ゴムタイムス社 |
配布方法 | PDFのテキストで配布 ※本セミナー資料の無断転載、二次利用、講義の録音・録画などの行為を固く禁じます。 |
お申込み | このセミナーに申込む |
注意事項 |
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プログラム
1.熱可塑性弾性樹脂の分子設計
1.1 ハードセグメント(HS)とソフトセグメント(SS) の役割
1.2 HSとSSの重量分率とモル分率による樹脂特性制御
1.3 ポリエーテルエステル系弾性樹脂
PBT/ポリオキシテトラメチレングリコール
PBT/ポリオキシトリメチレングリコール
1.4 ポリウレタン系弾性樹脂
ジイソシアネート/ジオール
1.5 低立体規則性ポリオレフィン弾性樹脂
超低立体規則性ポリプロピレン(PP)
高立体規則性PPのブレンド効果
2.熱可塑性弾性樹脂の溶融紡糸及び延伸による弾性繊維製造
2.1 弾性樹脂の高速溶融紡糸挙動
溶融紡糸過程のオンライン計測
紡糸過程の配向結晶化と弾性伸長
2.2 紡糸繊維の高次構造・物性の紡糸速度依存性
紡糸繊維の広角X線回折・小角X線散乱像
紡糸繊維の力学特性と弾性回復特性
2.3 溶融紡糸-インライン延伸による弾性繊維
繊維の力学特性と弾性回復特性
2.4 弾性樹脂の低温特性
SSのガラス転移及び結晶化と弾性繊維の低温特性の関係
注意事項
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