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ゴム・プラスチック混練技術の基礎から応用まで

~高分子材料のツボ、混練とレオロジー、バッチプロセス、二軸混練機、カオス混合、配合設計技術~

ゴムタイムス社

趣旨

 大半のゴム・樹脂材料は、機能を付与するための各種配合剤がベースとなる高分子に添加されたコンパウンドとして提供されている。このコンパウンドは、成形プロセスで形状が賦与され部品もしくは製品となる。ここで、成形体の品質問題が起きた時に成形プロセスの制御因子だけ検討していては解決できない場合がある。たとえ成形技術の経験知が豊富でもコンパウンドの問題に気づかなければ品質問題を解決できないケースもある。

 本セミナーでは、混練技術について高分子のレオロジーの視点から解説し、成形体の品質問題が起きた時に混練技術の制御因子まで考察できるスキル獲得を目指す。この目的のために、顧客である製品組み立てメーカーにおいてブラックボックスとされた物性で起きた品質問題をコンパウンドメーカーの立場でデータサイエンスの手法を用いて解決した事例を解説する。また、組み立てメーカーの立場の講演者が遭遇した成形体の品質問題について、既存のコンパウンドメーカーの技術では解決できないと判断し、3 ケ月でコンパウンド工場を建設した体験談を話す。この体験談で、ゴム材料開発過程で修得したカオス混合技術を二軸混練機に応用した最新技術を説明する。

 混練技術は、21 世紀になってもトランスサイエンスの問題を抱えており、その開発には科学の形式知だけでは対応できず、タグチメソッドはじめデータサイエンスのスキルも重要となる。技術開発のヒントとなるように一部の事例ではデータサイエンスの主要プログラム言語となったPython の有用性にも触れる。

受講対象者

1. コンパウンド設計・開発を担当する技術者
2. 成形技術を担当する技術者
3. 高分子材料成形体を扱う商品開発担当者

日時 2024年1月25日10:30~16:30
講師 倉地育夫((株)ケンシュー代表、工学博士)
講師略歴

1979年4月ブリヂストンタイヤ株式会社(現(株)ブリヂストン)入社
1983年4月科学技術庁無機材質研究所(現(独)物質材料研究機構)留学
有機無機ハイブリッド前駆体による半導体用高純度βSiCを発明(学位論文)。
((株)ブリヂストンは本技術で2007年日本化学会化学技術賞受賞)
1991年10月コニカ株式会社入社(2011年3月11日早期退職制度にて退職)
2011年 株式会社ケンシュー設立
その他として2000年日本化学工業協会技術特別賞、2004年写真学会ゼラチン賞等受賞
福井大学工学部客員教授、日本化学会産学交流委員会シンポジウム分科会委員長、同春季
年会講演賞審査委員長、高分子同友会開発部会世話人等歴任

受講料 45,000円/1人(税別)
会場 WEBセミナー(ZOOM)
主催会社 ゴムタイムス社
配布方法 PDFのテキストで配布 ※本セミナー資料の無断転載、二次利用、講義の録音・録画などの行為を固く禁じます。
お申込み このセミナーに申込む

プログラム

1. 高分子材料のツボ
 1.1.高分子とは
 1.2.高分子のプロセシング概説
  1.2.1.高分子のプロセシング技術
  1.2.2.混練技術の歴史
  1.2.3.分配混合と分散混合
 1.3. ポリマーアロイ、ブレンド
 1.4.パーコレーション転移
 1.5. 高分子材料の評価技術


2. 混練とレオロジー
 2.1.高分子鎖の運動とレオロジー
 2.2. 分子量とレオロジー
 2.3. ゴム弾性
 2.4. 分散系とレオロジー
 2.5. 剪断流動と伸⾧流動


3. バッチプロセス
 3.1. 混練時間と分散状態
 3.2.ロール混練
 3.3.事例:防振ゴム用樹脂補強ゴム


4. 二軸混練機
 4.1.連続式混練機
 4.2.二軸混練機の仕組み
 4.3.スクリューパーツの種類
 4.4.二軸混練機における高分子の流動
 4.5.二軸混練機の運転とトラブル対策

5. カオス混合
 5.1.カオス混合とは
 5.2.カオス混合装置の効果
  5.2.1.難燃性PC/ABS の事例
  5.2.2.半導体無端ベルトの事例

6. 配合設計技術
 6.1.タグチメソッド
 6.2.データサイエンスの活用
 事例:コンパウンドの品質問題解決

7.まとめ

注意事項

セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。

Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。

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