入間川ゴム 上期業績は堅調に推移

2011年09月21日

ゴムタイムス社

 入間川ゴム㈱の今期の業況は、第1四半期(4―6月)は大震災直後の混乱が見られた中で、復興需要並びに加工メ ーカーなどの在庫確保などからシート製品の出荷は順調に伸びたが、第2四半期(7―9月)は駆け込み需要の反動も あり、需要は一服感を示したという。上期実績は予算対比ではクリアする見通し。
 同社は経営計画「清水プロジェクト」において、前半の2年間で関係子会社の統合や拠点集約などを実施、組織面で の体制強化を図った。事業面でも厚もの天然ゴムシートなど不採算事業の縮小や製品見直しなどを行い、3年目の今期 は強固な基盤を構築し、最終2年間で新たな飛躍を目指す。
 「企業体質の強化という点では、この2年間で順調に成果をあげている。今後は収益性を重視した営業展開を図り、特 殊合成ゴムシートなどの販売比率を高め、合わせて新規製品の開発、販売を伸ばしていくことが課題」(同社)。
 下期の施策については、自動車生産の回復が期待されることに加え、難燃性を付加した鉄道車輌向けの特殊シート、 さらに弱電部品需要の増大に期待している。8月上旬には500㍉角のシート・成形品製造に適した最新式のプレス機を 本社工場に導入、本格生産を開始した。
 「公共投資を中心とした土木建築関連需要は構造転換が進み、以前ほどの規模ではなくなった。これに代わって、市 場は小さくても高機能部品としての使われ方が増え、いかにニーズを先取りするかが生き残り策になっている」(同社)と している。下期の期待分野・商品としては「福島原発の事故から、将来的には火力発電所向けのゴムシートの需要が伸 びることが予想される。また、被災地の復興関連では都市インフラ用の緩衝材、港湾関係のシート製品などの需要増が 期待される」(同社)。
 今後は海外向け製品も更に推進する方針だ。国内のコスト高を背景に自動車部品や家電・弱電メーカーの海外生産 が一層拡大していく中で、代理店経由でのシート原反などの輸出にも注力する。
 通期の業績見通しについては、震災による減産などの悪影響は比較的軽微ですみ、インフラをはじめとした復興需要 に期待しており「期初見込んだ業績は確保できるだろう。拡販の成果では上ブレも期待できる」としている。

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