横浜ゴム 「ブルーアースRV―02」試乗会 ウェットグリップ性能を体感

2014年12月30日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは12月12日、ミニバン専用低燃費タイヤ「ブルーアースRV―02」の試乗会を茨城県久慈郡のD―PARCで開催した。
 最初に、池田広報部長があいさつを行い、「4年ぶりのRVのモデルチェンジとなる。転がり抵抗をキープしながら、ウェット性能をアップさせたので、性能を体感してもらいたい」などと新製品を紹介した。
 試走会前には、新製品の商品企画と設計について、担当者が説明を行った。
 まず開発の背景として、
新車販売の三分の一をミニバンが占めており、ミニバン市場は安定した市場となっているとし、独自に調査したミニバンユーザーの低燃費タイヤへの意識に対する調査で、低燃費タイヤを選択することを条件としつつも、ウェット性能、静粛性など他性能とのバランスを要求する声が多かったことを挙げた。同時に、ミニバンは重量が重いため、制動距離が伸びるという不満が多いこともわかったという。
 こうした声に応え、「ブルーアースRV―02」は、「低燃費で雨に強い」「ミニバンに起こりがちなふらつきと偏摩耗の抑制」「優れた静粛性」の3つに主眼を置いて開発されたと説明した。
 「ブルーアースRV―02」は従来品「RV―01」の後継モデルで、国内タイヤラベリング制度において最高グレードのウェットグリップ性能「a」を獲得。ころがり抵抗性能は「A」にランクされる。
 コンパウンドには低燃費性能とウェットグリップ性能を高い次元で両立した専用「ナノブレンドゴム」を開発。異なる2種類のシリカを配合するダブルシリカを採用、オレンジオイルも増量した。
 従来品「ブルーアース RV―01」のころがり抵抗性能「A」はそのままに、ウェット制動距離を12%、ウェット操縦安定性を4%向上した。 また、専用プロファイルや構造に加え、数々の独自技術を搭載した非対称トレッドパターンを採用。カーブやレーンチェンジ時のふらつきや偏摩耗を抑制して安定感のある走りを実現したことを説明した。
 続いて、試乗会が行われた。
 周回路コースでは、「RV―02」とミニバン専用ではないタイヤを装着したミニバンを、
最大傾斜角41度のバンクをもつ高速楕円周回路をはじめ、凸凹道を模した特殊路面などを走行し、タイヤの評価を行った。
 60キロ、100キロ、130キロでレーンチェンジを行った所、新製品は最初の横Gはそれなりに感じるが、ロールが少なく、ロール後の収まりに余分な反動やふらつきがなかった。
 悪路走行時でも、ロードノイズが抑えられており、新製品は2列目での会話を快適にすることができ、3列目でも話し声が通りやすかった。この静粛性は、家族と乗る機会が多いミニバンユーザーには、大きな利点になると感じた。
 続いて行われたWET グリップ比較試乗では、濡れた路面をジグザグに走行、または円旋回を繰り返すことで、グリップの効き具合を新製品「RV―02」と従来品「RV―01」で比較した。
 新製品は高速でのハンドリングでもグリップがよく効き、従来品と比較して安定感が増している印象を受けた。
 従来品は約50キロでズルズルとタイヤが滑る音がタイヤの振動と共に伝わったが、新製品は55キロまではグリップが確実に効いていた。
 円旋回でも従来品は、45キロから滑り始めるに対し、新製品は50キロまではグリップが効いた。
 また、高速走行から急ブレーキをかけるグリップ比較でも、新製品は5メートル程制動距離が短かった。
 ウェットグリップ性能の大幅な向上を体感できた。

 D―PARCは、最大傾斜角41度のバンクをもつ高速楕円周回路をはじめ、国内最大級の円旋回路、世界各地の路面を20パターン以上用意した特殊試験路、山岳ワインディングロードを形にしたハンドリング路など、様々なコースを設けているテストコース。

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