積水化学 タイにCPVCコンパウンド生産拠点新設

2013年11月15日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は12日、タイにCPVCコンパウンド生産・販売会社を新設することを決定したと発表した。
 米国のThe Lubrizol Corporation(以下「ルーブリゾール」)とのCPVC樹脂の生産合弁会社をタイに設立することを決定していたが、その工場と同じ工業団地内にコンパウンド生産工場を設け、樹脂工場で生産するCPVC樹脂の一部を引き取り、CPVCコンパウンドを生産するとしている。CPVCコンパウンドとは、パイプ等の成形加工に必要な添加剤をCPVC樹脂に混練させたもの。
 同新会社は、会社名がSEKISUI SPECIALTY CHEMICALS(THAILAND) CO., LTD。2014年1月に設立予定で、資本金は4・8億タイバーツ。株主構成は同社が90%、徳山積水が10%。生産開始は2015年1月、生産能力は年産2・4万トン。工場はタイ ラヨーン県 マプタプット ヘマラートイースタン工業団地に、本社・販売拠点はタイ バンコク市内に所在。従業員は約70名(工場、本社・販売拠点の合計)となっている。
 同社のCPVC樹脂生産能力については、ルーブリゾールとのCPVC樹脂生産合弁会社では、2014年1月に着工、2015年初に年産3万トンの生産能力で稼働開始予定だが、翌2016年前半には生産能力を年産4万トンに増強する予定。
 同社は、タイのCPVC樹脂・コンパウンドの生産拠点新設により、南アジアやASEAN、中東で拡大する需要を獲得し、同地域でのシェア拡大を目指す考えだ。
 CPVC(Chlorinated PolyVinyl Chloride)樹脂は、塩素を付加した特殊な塩化ビニル(PVC)樹脂で、主に、耐熱性が必要とされる給湯用・工業用・スプリンクラー用の配管材などの原料として用いられている。
 近年、インドを中心とする南アジアやASEAN、中東などにおいて、住宅や工場などの建築物に使用されている配管材の、金属系からCPVC製への代替が進んでいる。併せて、経済成長に伴う建築需要も旺盛だ。これに伴い、CPVC樹脂の需要が毎年拡大し、今後も堅調な伸びが期待されている。
 同社は、グループ会社の徳山積水において、アジアを中心に拡大するグローバル需要に対応すべく、今年7月にCPVC樹脂の生産能力を年産3・3万トンから4万トンへと増強した。加えて、徳山積水では、配合設計技術の研究を進め、CPVCコンパウンドの品質向上と競争力強化に努めてきた。
 ルーブリゾールとタイにCPVC樹脂生産合弁会社を設立することで合意し、現在設立に向けた準備を進めているが、この合弁会社では、同社独自の熱塩素化技術をベースとしてCPVC樹脂の生産を行う。
 コンパウンド生産工場を合弁会社と同じ工業団地内に新設し、CPVC樹脂からコンパウンドまでの一貫生産を行うことで、高い品質とコスト競争力の実現を目指す。また、販売拠点をバンコク市内に設け、これにより、アジア、中東のCPVC市場におけるシェア拡大を図る考えだ。

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