ニチリンの第3四半期決算 アジア好調で大幅増益

2013年11月12日

ゴムタイムス社

 ニチリンの2013年12月期第3四半期連結決算は、為替の円安基調やニチリン(タイランド)の子会社化により、売上高は324億5200万円で前年同期比14・4%増、営業利益は23億6400万円で同98・2%増、経常利益は26億4600万円で同121・9%増となった。四半期純利益は、年金資産消失損の計上により13億1500万円で同95・1%増となった。
 セグメントごとの業績は、日本では国内四輪車生産は昨年のエコカー補助金終了の影響により大幅減少していたが、7月以降ようやく増加傾向にある。ただし、生産は燃費の良い軽自動車、小型車中心となり、中型車以上の車種の海外への生産シフトにより、売上高は205億3700万円(前年同期210億2900万円)となった。利益面においては、為替の円安基調や固定費の削減効果により、営業利益は7億6400万円(前年同期3億700万円)となった。
 北米では、自動車市場の回復により、売上高は86億3900万円(前年同期62億9400万円)となり、営業利益は4億5000万円(前年同期5700万円)と好調に推移した。
 中国では、日本車の不買運動や経済成長率の鈍化により、現地通貨での売上高は減少したが、円安による為替評価の影響により、売上高は60億3800万円(前年同期48億9700万円)となった。一方、営業利益は売上高の減少により3億8000万円(前年同期4億6700万円)となった。
 アジアでは、二輪車・四輪車市場が概ね好調に推移したことや、ニチリン(タイランド)の子会社化により、売上高は57億9300万円(前年同期31億4300万円)、営業利益は10億4600万円(前年同期3億9100万円)と好調に推移した。
 欧州では、新規受注効果もあり、売上高は10億8200万円(前年同期7億4200万円)となったが、営業損失2100万円(前年同期は営業損失4500万円)にとどまった。
 通期の連結業績予想は8月に公表した数値を据え置き、売上高が430億円で前期比14・2%増、営業利益が30億円で同155・8%増、経常利益が32億円で同108・3%増、純利益が15億円で同105・6%増を見込んでいる。

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