三洋貿易の9月期決算 営業益8・5%増

2013年11月12日

ゴムタイムス社

 三洋貿易の2013年9月期連結決算は、売上高は510億7500万円で前年同期比6・3%増、営業利益は24億4000万円で同8・5%増、経常利益は27億7200万円で同17・2%増、当期純利益は14億7500万円で同29・7%増となった。
 同社では、期中にメキシコに中南米初の現地法人を設立(2013年10月1日営業開始)するなど、引き続きグローバル展開を積極的に推進した。また、既存のゴム・化学品・自動車部品・機械機器関連の取り扱い拡大を図るとともに、医薬・医療・バイオなどの生活関連分野、木質バイオマスや太陽光発電素材などの環境関連分野、地熱・海洋開発などの資源エネルギー分野での事業開発にも注力し、収益力の向上と営業基盤の強化に努めた。
 セグメントの業績は、ゴム・化学品のゴム関連商品では、合成ゴムや副資材の販売は、中国での日系自動車の販売不振が影響し低迷したが期間後半には回復。家電・情報機器関連向け原材料販売は業界不振や製造の海外移転もあり低調に推移した。輸入商品については急激な円安により一時的に利益率が低下したが、輸出商品は概ね順調に推移した。化学品関連商品では、塗料やインク関連向け各種添加剤やプラスチック用難燃剤などが堅調に推移した。また、医薬中間体の販売も順調に伸展。一方、住宅建材用樹脂、皮革用薬品、セラミック関連商品の販売は低調となった。輸出では、アジア向け電材関連商品が円安の影響もあって好調に推移した。この結果、ゴム・化学品の売上高は226億9600万円で同3・8%減、営業利益は10億5700万円で同3・0%減となった。
 機械資材の機械・資材関連商品は、飼料加工用機械は堅調に推移したが、環境関連分野向けは低調となった。産業資材関連商品は、自動車シート用機能部品の販売が採用車種の増加により好調に推移し、センサーなど機能部品の販売は伸長した。また、シート部品メーカーへの原材料の販売も好調。科学機器関連商品は、官公庁や大学の研究機関向けを中心に、各種分析機器や試験機の販売が伸長した。この結果、機械資材の売上高は124億8700万円で同44・6%増、営業利益は10億9400万円で同11・2%増となった。
 海外現地法人では、Sanyo Corporation of Americaは、汎用フィルムの販売は低調だが、自動車シート用機能部品と高吸水性樹脂の販売は堅調となった。三洋物産貿易(上海)有限公司は、尖閣諸島問題の影響で期間前半の販売は低調に推移したが、後半は日系自動車メーカーの生産回復に伴いシート用機能部品を中心に回復。San―Thap International Co・ Ltd・(タイ)は、ゴム関連原材料を中心に販売は好調に推移。また、自動車シート用機能部品の販売も順調に伸展した。この結果、海外現地法人の売上高は93億8300万円で同14・3%増、営業利益は3億5600万円で同57・7%増となった。
 国内子会社では、コスモス商事は代替エネルギーとして有望視される地熱や、海洋掘削・海底資源開発に関連する機材販売やレンタルが好調に推移。ケムインターは、主力の韓国向け液晶関連材料の販売は低調だったが、化学品関連や機械・電子部品関連の輸出は円安の影響もあって順調に推移した。アロマンは、半導体・電子業界の不振および生産の海外移転などの影響により販売は低調となった。この結果、国内子会社の売上高は62億7700万円で同15・1%減、営業利益は3億5400万円で同29・3%増となった。
 次期は、ゴム・化学品・自動車部品関連を中心とする得意分野での収益強化を図るほか、生活・環境・資源エネルギー関連分野などの新規分野に注力し、グループを挙げて業績の向上により一層努めていくとしている。同社の2014年9月期の売上高は555億円で前期比8・7%増を予想している。ゴム・化学品関連が堅調に推移するほか自動車部品関連が引続き好調に推移すると予想される。新規では医薬・医療関連商材や資源・エネルギー関連機材などの伸長を見込んでいる。営業利益は27億円で同10・6%増の見込み。売上高および売上総利益の増加を見込む一方、業容拡大に向けた人件費などの増加や、販売増加に伴う運送料・保管料の増加など、販管費の増加(同3・2%増)を見込んでいる。経常利益は28億5000万円で同2・8%増を予想。営業外収益は為替益や受取配当金を主因に1億6300万円、営業外費用は支払利息などで2200万円の発生を見込む。純利益は15億6000万円で同5・7%増を予想している。なお、特別利益および特別損失の見込みはないとしている。

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