旭硝子 ベトナム塩ビ事業会社を買収

2013年11月11日

ゴムタイムス社

 旭硝子は6日、ベトナムの塩ビ事業会社フーミー・プラスチック・アンド・ケミカルズ社(PMPC社)の持分78%を取得することについて、同社親会社であるペトロナス・ケミカルズ・グループ社と合意したと発表した。
 PMPC社は、成長するベトナムの塩ビ樹脂(PVC)市場で3割を超えるシェアを有しており、この買収により同社グループはベトナムでの事業展開を本格的に始動することになる。これにより、同社グループのPVCグローバル生産能力は、先に発表したインドネシアにおける増強と合わせて現行の倍増以上の年産65万トンとなる。
 PMPC社の本社工場は、ベトナムのバリア―ブンタウ省に所在。1995年設立で、事業内容は塩ビ樹脂(PVC)の製造・販売。設備能力は年産10万トン。資本金は3500万USドルで、現状の持分比率はペトロナス・ケミカルズ・グループ社が93%、現地パートナーであるVung Tau Shipyard Corporationが7%。持分取得後は旭硝子が78%、三菱商事が15%、Vung Tau Shipyard Corporationが7%となる。持分取得は2014年第2四半期(4月~6月)を予定。
 ベトナムは約9000万人の人口の過半数が30歳未満という成長余力の大きい市場であり、年率5%以上の安定した経済成長が見込まれる。同国の塩ビ市場は、東南アジアでインドネシア、タイに次ぐ規模であり、経済発展に伴う需要拡大により、2020年には現在の5割増の規模となる見込み。今後、重化学工業などの立ち上がりとともに、苛性ソーダや塩酸など塩ビ以外のクロール・アルカリ製品の需要伸長も期待される。
 同社グループは現在、インドネシアとタイに生産拠点を持ち、苛性ソーダ・塩素から塩ビまでを一貫生産する東南アジア地域最大級のクロール・アルカリメーカー。また、同地域の旺盛な需要に応えるため、インドネシアでは2015年末までに苛性ソーダおよび塩ビの生産能力を大幅に増強することを決定している。このインドネシアの投資に続き、成長余力の大きいベトナム市場に新たに拠点を持つことで、東南アジアにおけるクロール・アルカリ事業のさらなる拡大を目指す。
 AGCグループは、中期経営計画「Grow Beyond―2015」の主要施策として新興地域戦略の強化を掲げており、大きく成長する東南アジアでの事業を積極的に推進していくとしている。

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