昭和ゴム 8月発生の事故への今後の対応を発表

2013年11月06日

ゴムタイムス社

 昭和ゴムは5日、同社精錬課で8月16日に発生し、従業員1名が被害に遭った事故について、今後の対応を発表した。
 事故発生後、同社はこのような労災事故が二度と発生することのないよう、自社内で再発防止への対応を検討と実施を進めてきた。加えて、この度の労災事故の重さを勘案し、自社内での検討に頼らず、「ゴム製造の専門家」、「社会保険労務士」、「弁護士」の外部の第三者に検証を依頼し、その検証作業への協力を続けてきた。今回、第三者による検討結果が報告されたたため、発表に至ったとしている。
 社労士やゴム製造の専門家の意見を踏まえた上での、弁護士の労災事故に関する見解は、同件事故については、会社としても予測が困難な不幸な事故という側面は否定できず、その内容としては、「安全管理義務を十分果たしていなかった責任があるとまではいえず、また、不適切な労務管理等が行なわれていたことが事故の原因になったという事実も存在しない。但し、緊急停止装置の設置位置等、安全管理上の問題点があったことも確かであり、会社には、今回の事故を機に、指摘された安全管理上の問題点を十分に検討し、更に徹底した安全管理体制の構築が求められる」というもの。同社は勧告に従い、更に安全対策を進めることを決定した。
 同社としては、これらの事項を真摯に受け止め、二度と同様の事故が発生しないよう、徹底した安全管理体制の構築に努めていくとしている。
 また、同社は同日までに、労災事故再発防止の為、「MSF(ローラーヘッドタイプベント式押出機)のホッパー口へのカバー取り付け」「中央労働災害防止協会へ事故防止対応策の協力支援要請」「人事体制の変更」「従業員の休日の取得状況の調査と是正勧告」「被災者と作業を行なっていた従業員に対するメンタルヘルスケアの実施「『ホッパーに手を入れるな』の表示(準備中)」「蹴飛ばしタイプの非常停止装置の設置(準備中)」「カレンダーへのシートくっつき防止策(対応検討中)」などの対応を実施・予定している。今後も再発防止に必要な対応については適宜速やかに実施していく予定。
 同社の見解としては、「この度の事故は会社経営としても予測が困難な不幸な事故でありました。しかしながら会社の業務の中で、大切な仲間である従業員1名が大きな負傷を追うことになった事実を直視しなければならないと考えております。当然ながら、本件事故については経営としておおきな道義的責任を負っていると心に刻んでおります。今後は、負傷者に対する会社としてのサポートに尽力すること、さらに物理的な安全対策と安全教育を推し進めること、今後とも適切な労務管理を行い、過重な負担が従業員1人1人にかからない運用を厳格に行なうことを会社の方針として、安全性の向上を常に満足せず追及していく方針を決定しました」と述べている。
 同社は今後も、社内外の意見を取り入れながら安全対策の見直しを検討し、必要な対応は速やかに実施していく方針。

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