信越ポリマーの第2四半期 精密成型品事業が好調

2013年10月28日

ゴムタイムス社

 信越ポリマーの2014年3月期第2四半期連結決算は、売上高が324億300万円で前年同期比6・7%増、営業利益が5億9000万円で同4・8%増、経常利益が8億3400万円で同31・5%増、四半期純利益は5億100万円で同163・8%増となった。
 同社グループ関連の事業環境については、自動車や半導体分野が堅調な需要回復にある一方で、デジタル家電市場の低迷が続き、また、電気・ガス・原材料価格の上昇などもあり、景気下振れの懸念が残る状況が続いた。このような状況のもと、同社グループは、販売面では新製品提案に重点を置いた営業活動を展開するとともに、生産面では固定費の削減や生産効率の向上などに取り組み、その結果増収増益となった。
 セグメント別では、電子デバイス事業は自動車関連入力部品を中心に順調な出荷が続き、全体として売上げは前年をやや上回った。入力デバイスは、自動車市場の回復を背景に、自動車用キーパッドに加え、タッチスイッチが増加。パソコン用タッチパッドは新機種向けが寄与し、順調に推移した。ディスプレー関連デバイスは、視野角制御フィルム(VC―Film)の出荷はやや減少したが、液晶接続用コネクターが順調に推移し、前年並みとなった。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターの出荷は需要回復を背景に増加したが、スマートフォン向け防水製品の出荷が防水機構の多様化の影響を受け、前年を下回った。この結果、売上高は78億6300万円で同2・3%増、営業損失は2700万円(前年同期は2400万円の損失)となった。
 精密成形品事業では、OA機器用部品が順調に推移し、また半導体関連容器にも回復の動きがあり、全体としては前年を大きく上回った。半導体関連容器は、半導体業界の一部で生産調整があったが、前年を上回る出荷で推移した。キャリアテープ関連製品は、スマートフォンなど携帯機器に搭載される微細部品用の出荷が増加し、売上げは前年をやや上回った。OA機器用部品は、主要ユーザーの生産が回復基調となり、また新機種向け製品の受注・出荷が寄与し、順調に推移した。シリコーンゴム成形品は、メディカル関連製品は堅調だったが、電子部品用製品が振るわず、低調となった。結果、売上高は129億1700万円で同15・3%増、営業利益は11億3300万円で同35・0%増となった。
 住環境・生活資材事業では、売上げは前年並みとなったが、原材料コストの上昇、価格競争の激化、価格改定の遅れなどが響き、全体の利益面に大きく影響した。ラッピングフィルムなど包装資材関連製品は、出荷は前年を上回ったが、原材料価格上昇の影響を受けた。機能性コンパウンドは、自動車向け新製品の出荷が堅調に続き、順調に売上げを伸ばした。塩ビパイプ関連製品は、住宅着工の回復などにより、出荷は前年を上回ったものの、価格改定に時間を要した。外装材関連製品は、ホームセンタールートで価格競争などの影響を受け、低調に推移した。この結果、売上高は88億8100万円で同1・0%増、営業損失は4億600万円(前年同期は1億8700万円の損失)となった。
 その他、首都圏における食品スーパーの回想物件の受注が順調に続き、その他の売り上げは前年をやや上回った。結果、その他の売上高は27億4000万円で同2・0%増、営業損失は7500万円(前年同期は6400万円の損失)となった。
 通期の連結業績予想は、売上高が630億円で前期比3・8%増、営業利益が14億円で同48・3%増、経常利益は15億円で同16・1%増、純利益は6億円で同185・4%増を見込んでいる。

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