【合成ゴム特集】電気化学工業 ラテックス類の能増実施へ

2013年10月08日

ゴムタイムス社

電力コスト上昇で価格改定検討 輸出が回復基調で推移

 電気化学工業のCR「クロロプレンゴム」は販売の8割以上を占める欧州、中国ほかアジアでの輸出市場の需要が中国景気の停滞、欧州 金融不安から低迷していたが、ここへきて輸出が回復、上期販売は前年同期を上回る堅調推移となった。
 国内需要も自動車部品用途では、自動車の小型化の増加でゴム量が少なくなってきているものの、各自動車メーカーの自動車生産計画も年初に比べ若干上回っており、堅調に推移しているという。自動車用途では新技術製品の開発にも注力、他社にない動的発熱を抑え、耐久性が向上した産業用、2輪用伝動ベルト向けの低発熱性の新グレードを開発しており、採用が本格化している。また、接着剤などでのラテックス類の需要が活発という。
 このため、同社では年産10万トンプラントの青海工場設備にて、2013年度中にデボトルネッキングによるラテックス類の能力増強を実施する。
 一方、中国市場では需要拡大を図るため「電化新材料研発(蘇州)有限公司」を中国江蘇省蘇州市に設立し、 中国の市場が求める性能、品質、コストを踏まえた将来性のある商品開発を行い、ワイパー、防振ゴムなどの自動車部品をはじめとした用途展開を積極的に進めてきたが、先に中国商務部が電気化学のクロロプレンゴムのダンピング税率を20・8%に引き上げると発表。これに対し同社では「我々にとっては不幸な結果となったが、我々とすれば、ダンピング要件にかかるような売り方をするつもりは全くない。我々の品質を高く評価してくれて、それに対し十分な対価を払っていただいてる用途についてはしっかり守っていく」(エラストマー・機能樹脂部門 田渕浩記エラストマー・ブラック部長)。

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