マイクロ・ナノ加工研究会を発足

2013年10月07日

ゴムタイムス社

 特定非営利活動法人「ナノ構造ポリマー研究協会」(代表理事=西敏夫東京大学・東京工業大学名誉教授)は10月1日、同協会内に「マイクロ・ナノ加工研究会」を立ち上げた。
 会長には、高分子成形加工分野で定評のある伊藤浩志・山形大学教授が就任。産学が連携し、マイクロ・ナノ加工技術の発展と成長を目指す。
 同分野に含まれるのは、高分子の成形加工、微細加工、マイクロインジェクションモールディング、3D―プリンティング、ナノインプリンティングなど、いずれも急速に発展しつつある技術。
 これらは日本が得意とする分野と見られていたが、西代表理事によると、諸外国の大学で盛んに研究が行われる一方、日本の大学では、あまり積極的に行われて来なかったという。
 その背景にあるのは、従来の文部科学省の科研費と、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の補助金などのあり方。大学・公的機関での自主的な基礎研究・シーズの育成が中心であったため、成形加工分野の研究者があまり育たなかった。
 この反省を踏まえ、今年度から文科省とJSTが大型のセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムを発足。シーズだけでなく、将来社会のニーズに応じた研究開発・システム開発を重点的に推進することになり、同協会ではマイクロ・ナノ加工もその目的に合致するものとして、研究会を立ち上げて取り組むことにした。
 同日行われた記者発表会で、西代表理事は「高分子のマイクロ・ナノ加工は、ナノ構造分野で重要なテーマであり、産学からの要望がありながら、見過ごされてきた分野。まさに社会のニーズに応じるものであることから、この研究会を産学官で盛り立てていきたい」とあいさつ。
 伊藤会長は「研究会を、マイクロ加工、ナノ加工、最新の成形加工技術について、広く議論するための場とし、日本から新たなものづくりの技術を発信したい」と抱負を述べた。
 また法人会員を代表して、全日本プラスチック製品工業連合会会長の斎藤森作・荒川樹脂代表取締役社長が「業界は中小企業が多く、厳しい状況が続いている。その中で、1社でも多くこの研究会に参加し、将来のものづくりに向けて勉強していければ」と述べ、研究会への期待を示していた。
 なお同研究会では、法人会員と、12月4日に東京で開催する「第1回マイクロ・ナノ加工研究会公開講演会」の参加者を募集している。詳細はホームページ(http://ransp.org)を参照。問い合わせは04―7152―9379 管理部 田代まで。

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