電気化学 エス・イー・アイと資本提携強化

2013年09月25日

ゴムタイムス社

 電気化学工業とエス・イー・アイは24日、リチウムイオン二次電池(以下「LiB」)の性能向上に欠かせない電極材料の高導電化技術(=低抵抗化技術)を中心とした電極材料技術開発に関し、同社が保有するエス・イー・アイの発行済み株式の持分比率を4・5%から15%へ引き上げ、筆頭の澤井岳彦氏(39%保有)に次ぐ第2位の出資者となることになったと発表した。
 エス・イー・アイは電極材料の高導電化設計技術を有し、リン酸鉄リチウム(以下LFP)の基本特許を保有するハイドロケベック(カナダ)と共同開発を行っている。電気化学工業はこれまでに、エス・イー・アイと資本提携を通じて、LFPとカーボンナノファイバー及び同社製品である「デンカブラック」(アセチレンブラック)を特殊複合化することにより、LFPの導電性を飛躍的に向上させ、放電レートや充放電サイクルの向上を実現してきた。
 今後特に需要伸長が期待される車載用LiBの正極材では、ニッケルマンガンコバルト三元系やマンガンスピネル系に代表される高容量、高出力系材料が主流となると見込まれており、負極材料においても、新たな高性能電極材料が模索されている中、導電性の向上は将来にわたって求められる最重要課題のひとつであると考えられる。
 同社は、千葉工場(千葉県市原市)にLiB向け超高純度アセチレンブラック専用工場を新設し格段の品質の向上を図り、万全な供給体制を構築していくとともに、今回のさらなる資本提携強化を通じて、電極材料全般の導電性向上技術の開発を加速させる。また、さらにはLiB関連部材全般のソリューションを提供していくことを目指していく。
〈エス・イー・アイ社概要〉
▽設立=平成11年11月11日(11月11日は電池工業会で定める電池の日)
▽資本金=1億9797万5千円
▽事業内容=「【実現】商いのゴールを掲げ、あらゆる五感を駆使して技術や商品を現実のものにしていく」を経営方針とするベンチャー企業で以下の3部門を有する。
(1)リチウムイオン二次電池R&D部門
 長寿命、低抵抗、低コスト電池材料の継続的開発、リチウムイオン二次電池製造用スラリー技術課題の解決等。リチウムイオン二次電池プロトタイプセルの提供
(2)システムソリューション部門
 i-phone用外付け電池パック、i-Pad2用非接触充電器
(3)電子部品部門
 LED、メモリー、半導体チップ、ダイオード等、特にリチウムイオン二次電池分野においては、LFPの基本特許を有するハイドロケベック社(カナダ)をはじめ、複数の海外有力企業と共同開発を進めている。

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