クラレ 吸音/調音パネル「静御殿」新発売

2013年05月15日

ゴムタイムス社

 クラレクラフレックスは、スチームジェット製法で生まれた世界初の高機能不織布「フレクスター」を採用した吸音/調音パネル「静御殿」(しずかごてん)を開発し、14日より発売を開始すると発表した。規格は、厚み45㎜×幅600㎜×長さ900㎜(壁掛けタイプ)、価格は5万7750円(税込)。同商品は、東京ビッグサイトで15日から17日にかけて開催される「第4回教育ITソリューションEXPO2013」に出展する予定。
 教室や会議室で発生する音の響き低減による声の聞き取りやすさの向上や、音の響き調整による楽器演奏や音楽鑑賞の環境改善に対するニーズが高まっている。従来の吸音/調音材は、大きくて重いものが多く、設置箇所の位置調整が簡単ではなかった。加えて、デザインの選択肢が少なく、既存のインテリアに合わないといった使いにくさがあった。クラレが開発した高機能不織布「フレクスター」は、特異な繊維構造により高い吸音機能を発揮。この特長と軽量性に着目して、同素材を活用した吸音/調音材を開発した。
 製品の特長は、軽量でパネルの移動も容易なことにある。目的に応じ表と裏を使い分けることで、「吸音」「調音」の2つの効果を手軽に実現。優れた吸音性能をもつ「フレクスター」にハニカム構造材をサンドイッチした吸音体を採用した。ハニカム構造材の空気層により従来の吸音材単体では難しかった低波長域の吸音が可能。
 ハニカム構造体の両側に配置した「フレクスター」のうち、片側は全面吸音とせず、一部に反射部分を組み合わせることで、低波長域から高波長域を平均的に吸音することができる。(特に音楽鑑賞に向く)吸音面は中高音域の吸音性能に優れ、「キーン」と耳につく不快音を軽減。調音面は、繊維系吸音材では難しい、低音域の吸収性能に優れ、音楽や映画鑑賞に最適なクリアな音場を実現。吸音/調音材にお好みの布地をかぶせることで、部屋のインテリアに合わせた空間作りを楽しむことができる。
 主な用途は、家庭のオーディオルームやシアタールーム、学校・教育機関の教室や音楽室、ピアノやバイオリンなどの音楽教室、オフィスの会議室など。全国の主要オーディオ専門店、家電量販店で販売する。同社は、販売目標を初年度で200台、2018年度には1万台を目指している。

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