ブリヂストン  ロシア市場に本格参入  タイヤ新工場を建設  

2013年04月13日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは、ロシアのウリヤノフスク州にあるザヴォルジェ工業団地に冬用乗用車用ラジアルタイヤの新工場を建設すると12日発表した。2016年上期から生産を開始、18年下期に日産1万2000本体制とする。投資額は約375億円。

 現地4月12日に、共同で出資する三菱商事㈱とともにウリヤノフスク州政府およびウリヤノフスク州開発公社との投資契約を締結した。新工場は、同社にとって初のロシア・CIS地域におけるタイヤ生産拠点。
 新工場は、新たに設立する製造会社Bridgestone Tire Manufacturing C.I.S. LLC(BMCIS)により運営される。新会社への出資比率はブリヂストン90%、三菱商事10%。三菱商事の出資を含む総投資額は約375億円(125億ルーブル)で、2016年上期に生産を開始する。生産品目はロシア・CIS市場向けのウィンタータイヤを中心とする戦略商品で、生産能力は2018年下期に日産約1万2千本の予定。
 ロシア・CIS地域は、人口が約3億人にのぼる大きな市場。また新車販売も堅調に伸長しており、今後更なるタイヤ需要の伸びが見込まれている。その中で、今回の新工場は、現地での需要拡大に対応することを目的に建設される。同社グループはこれまでにも小売チャネル網「Pole Position」の拡充など事業展開を進めてきたが、今回の新工場建設により、市場に近いところで商品を生産しタイムリーに供給する体制を実現していく。
 なお、新会社の設立に伴い、同社の完全子会社であるロシアのタイヤ販売会社Bridgestone C.I.S. LLC(BSCIS)にも、三菱商事が出資することで合意した。三菱商事出資後の出資比率はブリヂストン80%、三菱商事20%で、資本金は約18億円(600、592、730ルーブル)。
 CISはCommonwealth of Independent States (独立国家共同体)の略で、ソビエト社会主義共和国連邦の崩壊後、旧ソ連諸国により結成されているゆるやかな国家連合体。
 新製造会社(BMCIS概要)
 所在地=ウリヤノフスク州ザヴォルジェ工業団地(モスクワの東南東約900 km)
 敷地面積=約81ha
 生産品目=乗用車用ラジアルタイヤ
 設立時期=2013年上期(予定)
 操業開始=2016年上期(予定)
 出資比率=ブリヂストン90%、三菱商事10%
 従業員数=約800人(2018年下期予定)
  生産能力=約12、000本/日(2018年下期予定)
 販売会社(BSCIS)概要
 所在地=モスクワ市
 設立年=1998年
 出資比率(三菱商事出資後) ブリヂストン80%、
三菱商事20%
 代表者=平石良昭

 ロシアには国内タイヤメーカーでは横浜ゴムがリペツク州リペツク特別経済区に乗用車用タイヤ工場を建設し、2012年5月から生産を開始している。

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