日本プラスチック工業連盟 年頭挨拶 藤吉建二会長

2013年01月16日

ゴムタイムス社

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年は、ロシアと米国で大統領選挙があり、中国でも国家指導者の交代があって、今後の国際情勢を左右する重要な年でありました。世界の経済情勢は、欧州の財政・金融危機の深刻化、米国経済の先行き不透明感、中国、インドなど主要新興国の成長の鈍化により下振れ懸念が高まってきています。わが国の経済は、世界経済の減速による輸出の減少に加え、水準を超えた円の高止まりや電力コストの上昇などもあり極めて厳しい状況が続いています。IMFは2013年のわが国の実質経済成長率は1・2%になると予測しておりますが、今後の先行きは依然として予断を許さない状況にあります。
 このような厳しい環境にある今こそ、我々プラスチック産業界は、新時代におけるイノベーションを先取りし、より付加価値の高い製品を様々な産業分野に提供し、エネルギー、資源、医療、食料、水などに関する世界的課題の解決に貢献することが必要であり、また期待されております。
 ソーラーパネル用素材、自動車の軽量化素材、大幅な省エネルギーにつながる断熱素材、食品の長期保存を可能とする素材等々、プラスチックは人々の快適で豊かな生活を支え、未来の持続的発展に大きく貢献しています。一方、プラスチックは人々の身近なところで大量に使用されていることから、ごみの散乱や海洋汚染、リサイクル問題などの課題があり、ネガティブなイメージを抱えています。「プラスチックのイメージアップ」を図るためには、“プラスチック”に関する正しい知識を消費者である皆様に知っていただき、消費者、自治体、事業者等の相互理解を一層深めることが大変重要であると思っております。
 日本プラスチック工業連盟では、2003年、2007年に続き昨年の7月にプラスチックのイメージ調査を実施しました。「身近なものだ」「役に立っている」のポジティブな印象は、9年前も95%以上でありましたが、今回は「身近なものだ」98%「役に立っている」97%となり、更に良い印象を持たれているとの結果となりました。「安全である」は、9年前は50%を切っていましたが今回は70%を超えました。「環境にやさしい」は、以前よりポジティブな印象が増えましたが50%に届かず、ネガティブな印象を持つ人とほぼ同数でありました。これまでプラスチックに携わる企業や団体が様々な工夫を凝らして取り組みを行ってきた努力が今回の調査結果に現れていると思っております。
 日本プラスチック工業連盟では、本年も、わが国のプラスチック産業のさらなる発展に向け、様々な取組みを積極的に進めてまいる所存でございます。引き続き皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。
 最後に、皆様方のますますのご繁栄とご健勝を心よりお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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