新春TOPインタビュー 早川ゴム

2013年01月09日

ゴムタイムス社

 「改修」、「環境」、「海外」分野で事業拡大 14年に売上高100億円、経常5億円目指す

 新製品「耐放射線環境ゴム」、「レーザー接合用両面粘着テープ」の拡販に注力する早川ゴム。「改修」、「環境」、「海外」の3K分野で事業拡大を図る早川雅則社長に13年度の経営課題を聞いた。

 ―12年を振り返って。
 早川社長 12年12月期の業績は売上高が95億円、前期比107%、経常利益2億円程度の見込みで増収増益となりました。サッカーで例えると「試合開始早々の先制点で前半をリードして折り返し、後半の勝負どころの第4四半期に追加点を挙げ、勝つことが出来た」と言えます。設備投資では、建築用防水シートの売上拡大が見込まれ、生産ラインの設備増強を行いました。新製品開発では、耐放射線環境ゴムに加え、ガン治療装置等の先端医療に貢献する放射線遮蔽ゴム、またスマートフォンのパネルと筐体を接着するレーザー加熱を利用した両面粘着テープ「レーザー接合用両面粘着テープ」を新たに開発しました。この粘着テープは接着した後でも、レーザーを照射すると容易に剥離できる製品であり、組み立てメーカーで、接着したパネルを剥がして、リワークできることからスマートフォン用途での採用に期待を寄せております。
 一方、夏場に取り組んだ省エネ活動では、1000万円の効果を上げることが出来、省エネ意識も高まり利益面でも貢献してくれました。

 ―12月期の部門別概況は。
 早川社長 建設用資材部門は土木用止水材が耐震改修用途の止水材が好調であったこと、コンクリート湿潤養生マットや農業用水路目地改修材等の新製品効果があり、前期比110%、建築用防水材も金属下地屋根断熱防水工法や太陽光発電対応のソーラー架台が好調だったことで前期比114%となり、建設用資材部門の売上高は55億円、前期比112%と大きく伸びました。
 産業資材部門は売上高35億円、前期比100%の横ばいとなりました。このうち住宅用防音材が配管防音材の好調で前期比110%、化成品が一部製品の値上げが寄与し、前期比98%の前年並みとなり自動車用品はカーペットマットが大幅に減少しましたが、オールウェザータイプのラバーマットが増え、前期比85%に踏みとどまりました。プラスチック微粒子「ハヤビーズ」の新規事業は液晶パネル業界の低迷の影響で、売上高4億円、前期比90%と低調に推移しました。

 ―13年度の業績見通しは。
 早川社長 景気がジリジリと悪くなってきていますが、売上高98億円、経常利益3億円を目指して取り組んでいきます。原価低減や省エネ取り組みなどの総コスト削減を進めて、守りを固めると同時に、大震災の復興需要の取り組みを図り、耐放射線環境ゴムやレーザー接合用両面粘着テープ等の新製品・新戦力で積極的に攻める計画です。
 海外事業ではタイのHER(ハヤカワ・イースタン・ラバー)で自動車のフロアマットとエアコンの制振材を生産、中国では日系企業に出資する形で進出しており、南京市の地下鉄工事の防水材で実績を積んでいます。今後は、タイの洪水対策とベトナムのインフラ整備で、わが社の得意とする建設資材の営業活動に注力して参ります。

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