日本ゴムホース工業会 年頭所感 入江荷一朗会長

2013年01月16日

ゴムタイムス社

 平成25年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 さて平成24年の日本経済は、第三四半期のGDPが実質成長率で前期比0・9%減、年率換算では3・5%減と大幅悪化となり、また9月の鉱工業生産指数は前月比4・1%低下し、3ヵ月連続で減産となるなど景気が後退局面に入ったとの見方が強まりました。今後の動向につきましては、内需の柱である消費の低迷、欧州をはじめ世界経済の減速と円高の影響、更に日中関係の悪化が景気を下押しする懸念も強まっております。
 このような状況下で昨年のゴムホース生産は、主要な需要先である国内の自動車生産が9月に入り、12ヵ月ぶりに減速傾向を示しており、その影響は顕著であります。土木建設機械と工作機械の受注額も中国絡みの需要減と資源国向け需要が減少傾向にあり、今後もこの傾向が暫く継続するものと思われます。又一般産業分野の設備投資も全般的に回復基調が鈍いこともあり、年間で3万6390トン(新ゴム量)、前年比2・0%増と当初予測を約3000トン下回る結果となり、出荷金額も前年比3・1%増の1370億円になろうかと存じます。
 次ぎに、昨年の輸出入について述べさせて頂きますと、輸出は全体の55%であるアジア向けが中国向けは停滞しましたが、前年対比10%増と順調であり、その他の地域向けも欧州向けを除き順調であったため、年間の総輸出額は前年比約3%増の450億円強を見込んでおります。
 輸入につきましては、8月までの国内自動車用ホース需要増により、年間通期の総輸入額は、前年比約14%増・130億円強の見通しでございます。
 さて、本年の世界経済の成長見通しは、回復の基調が極めて不明瞭であり、米欧が苦戦する中で、
世界経済を牽引していくであろうと論じられておりました中国の翳りが鮮明になりつつある状況が更なる懸念材料となっております。このような客観情勢下における日本経済の緊急課題は、政府主導による景気対策としての円高の高止まり是正及びデフレ対策に全力を挙げることであろうかと存じます。そして本年のゴム業界に於いては、不安定な実体経済を見据えながら需要動向へ機敏に対応する企業経営が重要であると考えます。

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