技術士からの提言 第5回 下

2010年07月05日

ゴムタイムス社

 第5回 下 「はやぶさの感動」

 はやぶさ後継機の開発予算は、2010年度概算要求で17億円ついていたのが、政権交代時の見直しと例の事業仕分を経て、なんと3千万円に減額されたのだ(一連のフィーバーで臆面もなく復活しそうではあるが…)。
 「なぜ世界一にならなければならないのですか?」と、問う方が事業仕分の大臣になったことは、技術立国として持続的に発展を目指すべきわが国の不幸であるが、世の中へのアピールという面で、技術を開発する側にも責任があるのではないだろうか?。技術の先端でしのぎを削る人達に、一般人へのPRもやれというのは酷かもしれないが、技術を持続していくためには必要なことだと考える。人々に理解され、期待されることで、人材も資金も発展の機会も廻って来るのだと思う。
 われらの誇る免震技術はどうか。惑星探査のような派手さはないが、命や財産を守る先端技術という意味では胸を張ってよい。幸い、免震構造協会を中心に啓蒙活動も繰り広げられているが、技術の価値からいえばもっと認知されてほしい。普通の小学生にも知ってほしいし、度重なる地震に苦しむ中国やインドネシアの庶民にも知ってほしい。
 広く国民が免震の価値を知り、恩恵に浴したいと思えば普及の原動力になる。免震技術の供給側もその希望に応える技術開発にドライブがかかるだろう。筆者のような立場の者が、免震の将来に対して果たすべき役割の一端がここに見える。
 はやぶさを打ち上げた「M―V」ロケットに、免震ゴムと同じ積層ゴムの技術が使われていたことをご存知な方は少ないだろう。可動ノズルの基部に球殻状の積層ゴムが使われた。積層ゴムはここでも縁の下の力持ちだ。

(2010年7月5日掲載)

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