朝日ラバー マイクロ流体チップがDNA解析装置に採用

2012年11月27日

ゴムタイムス社

 朝日ラバー(横山林吉代表取締役社長)は22日、同社および子会社が開発したマイクロ流体チップが「ポータブル型DNA解析装置」のDNA分析用チップとして採用されたと発表した。
 同製品は同社および100%子会社の朝日FR研究所(髙木和久代表取締役社長)が独自の分子接着技術を応用したもの。「ポータブル型DNA解析装置」は日本電気(遠藤信博代表取締役執行役員社長)開発。
 同社グループはゴムメーカーとして、特に付加価値の高いゴム製品を提供してきたが、独自の技術としてゴムや樹脂、金属などの物質の表面を加工して様々な機能を付加させるという表面改質技術、これを応用した分子接着技術を所有していた。
 分子接着とは媒介となる接着剤を使用せず、接着させる物質の表面を加工して化学反応により貼り合わせるというもの。接着剤による貼り合わせに比べ経年による接着力の劣化がない、耐熱性・耐水性に優れているといった特長がある。同社グループではこの分子接着技術やゴムと樹脂の加工技術を組み合わせることで、ユーザーのニーズに応える機能を持つマイクロ流体チップを開発した。
 マイクロ流体チップとは基板に微細な幅と深さの流路を形成し、様々な化学的検体を流して試薬と反応や分析を行うチップで、化学・生化学分野において研究機関や実用現場で検出器具として使用されている。
 同製品はゴムならではの弾力性を生かし、新しい加工技術によりゴムと樹脂を複合化させることで流路にバルブ機能を付加できるため、ユーザーが求める流路への安定した送液が可能。また、流路や試液投入部分、検査部分などを別々のシートにデザインし、積層化することで、複雑な流路を形成。さらに同社独自の分子接着技術を用いて接着部分と非接着部分を組み合わせて貼り合わせることで、マイクロメートルサイズで形成された流路をふさぐことなく接着させ、耐久性・耐熱性・耐候性に優れた高い接着性により試液の漏えいを防ぐチップを形成することができる。
 既存のガラスやセラミック、ステンレス製のマイクロ流体チップに比べてゴムや樹脂は安価であり、流路を刻んで形成する工程が不要のため比較的安価での提供を行える。分子接着や流路形成のためのレーザー加工などのノウハウが確立していることや、金型の製作が不要なためスピーディな試作対応と大量生産も可能。
 このような同製品の特長が評価され、日本電気によるDNA検出のための装置「ポータブルDNA解析装置」のチップとして採用となった。
 同社グループでは2014年3月までの中期経営計画で、医療事業だけでなくライフサイエンスの分野を重点領域の一つと位置づけ、次世代の収益の柱となる新製品の開発と市場投入に注力している。今回の採用をきっかけに、さらに技術力を高め、様々な分析に使用するマイクロ流体チップやデバイスなどを開発し、社外連携も含めた、マイクロTAS事業として展開していく。