【ゴム用試験機特集】 新東化学 受託試験・コンサルティングサービスを強化

2012年11月26日

ゴムタイムス社

受託試験・コンサルティングサービスを強化 技術提供でイニシャルコストに寄与

新東化学

 今年で創立60周年を迎える新東科学㈱(野村雅久社長)は「HEIDON」ブランドの名称で実験室用撹拌機「スリーワンモータ」と、摩擦摩耗試験機「トライボギア」の2つの製品シリーズを中心に製造販売する。
 同社製品の訴求ポイントは安全性・安定性・高耐久性に重点をおいている点。また同社の強みのひとつは設計から開発、生産まで全てメイド・イン・ジャパンにこだわるかたちで製品作りを行っていることが上げられる。
 同社の上期の需要動向として、「前同期比20%増で堅調に推移している。3年前から開始している受託試験機やレンタルサービスの引き合いが多かった。製品別として摩擦摩耗試験機が動きがよく、売上では摩擦摩耗試験機と実験室用攪拌機は半々だと言える」(野村副社長)。
 下期の業績予想は「全体的にラボへの設備投資の減少があり、先行き不透明感があるものの、悲観はしていない。摩擦摩耗試験機と実験室用攪拌機も継続的に需要があるので、下期は上期と同じペースで20%の伸びは見込まれると思う」(野村副社長)。
 特に力を入れている事業が、あらゆる種類の摩擦や摩耗に関する悩みや問い合わせに応じられる受託試験、コンサルティングサービス事業。
「今までは受託試験機等のサービスをしてしまうと製品の販売に影響がでるかもしれないという懸念があったが、業界の状況からしてお客様に必要な時に、必要な価格で貢献できるため、引き合いは伸びている。また弊社で蓄積されたノウハウを提供できるので、お客様の時間や費用そして経費などの資源も最小限に抑えることが可能になった。今後もこの事業を伸ばしていきたい」(野村社長)
 今回、同社が注力する製品は摩擦摩耗試験機「トライボギア」シリーズの「荷重変動型摩擦摩耗試験機システムTYPE:HHS2000・3000」。
 同製品の最大のメリットとして、従来、荷重ごとに試験測定をしなくてはいけなかったが、同製品は広い荷重域の試験を一度に試験できるメリットがある。また一回の測定で摩耗回数ー垂直加重ー摩擦力/摩耗堆積の関係を示す3次元摩耗形態グラフも作成する。その結果、試験をする人の時間と手間を省くことができ、サンプルも最小限に抑えられる。さらに1回の測定で試験結果のばらつきも少ないのも特長である。
 同製品のオプションでCCDカメラ「トライボシステム」を併用することにより、摩耗粉の挙動解析・潤滑液の移動状態の解析などもできる。
 具体的にゴム分野ではワイパーとガラス面の摩擦、プリンターのゴムローラー対紙、紙詰まり等に、樹脂分野では写真フィルムが傷つく等、おもに企業の研究室および製品開発の実験段階などの部門で同製品が使用される。同社は同製品に注力し、今後もユーザーが求める製品の開発を行い、時代に合わせて製品・サービスの充実を強化していく。

(2012年11月26日紙面掲載)

荷重変動型摩擦摩耗試験機システムTYPE:HHS2000・3000

荷重変動型摩擦摩耗試験機システムTYPE:HHS2000・3000

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