【ゴムシート特集】 十川ゴム 上期自動車用は3割増

2012年11月14日

ゴムタイムス社

上期自動車用は3割増 環境対応商品を拡充へ

十川ゴム

 十川ゴムのゴム板の12年度売上高は、上期は前期比若干の増加となった。前年同期は、4月は東日本大震災の影響で大幅な増収となったが、その後需要が減少、9月までは販売減となった。その反動もあり、本年上期は増収となったが、好調というには程遠い状況だという。
 下期は、直近の荷動きの鈍さなど懸念事項はあるものの5%程度の増加を目指している。
 需要分野別の販売状況については、自動車産業向けは震災影響による落ち込みがとくに激しかったため、約130%、住宅設備関係は約110%と、これらの分野は伸びたが、土木建築関係は逆に昨年震災後の駆け込み需要が大きく影響し、約80%、加工関係用途はほぼ前年並みとなった。
 震災関連需要については「ゴム板の用途は多岐にわたっており、とくに加工して使用される製品が多いため、実際の復興需要にゴム板が直接的に影響を与える度合いはメーカーとしては見えにくいものがある。また、物件として多量の引き合いが一挙にあるとは考えていないが、全体的な各分野の動きにつれて、下期からは少しずつであるが増加傾向が続くと考えている」(同社)としている。
 足元の原材料市況については、ゴム板は製品価格に原材料の占める割合が非常に大きく、さらに電力使用量も大きな製品。原材料価格上昇は沈静化した感があるが、工程にかかる経費としての電力値上げなどの動向には不安がある、とする。
 新商品開発動向については「現在の開発は、その最終製品のみならず、その製造工程にまで常に環境に配慮した研究開発に取り組んでいる。昨年上市した環境対応ラバーシートCPL―100Eは、REACHおよびRoHSともに対応済みの製品で、既に在庫販売している。今後は、その他の素材についても展開の幅を広げていきたいと考えている」(同社)。
 なお、業界の課題としては、全体的な市場としての数量増加は望めない状況の中で、各社特殊品の陥没価格是正などをどのように進めていくか、ということを考えている。

(2012年11月12日紙面掲載)

 

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