ブリヂストンが新中計策定 早期に営業利益率10%達成へ

2012年10月22日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは18日、13年から17年までの5年間を対象とする「中期経営計画2012(MTP2012)」を策定し、骨子を明らかにした。継続的に進めるゴム業界における「断トツ」を目指した取り組みを加速させ、13年にROA6%超、売上高は年平均5%超の成長、営業利益率10%の早期達成を目指す。設備投資は年平均2500億円を計画している。
 MTP2012の発表会には津谷正明代表取締役CEO、西海和久代表取締役COO、江藤彰洋常務執行役員CFOらが出席し、概要説明が行われた。
 同計画は13年から17年までの5年間を期間に、これまでの事業環境の変化や将来展望を反映させ、必要な戦略・施策を追加してまとめられた。
 冒頭、津谷CEOは「真のグローバル企業を目指し、組織体制変更や企業理念のリファインを実施、当面の経営目標であるROA6%達成を図りたい」などと語った。経営の新体制移行後は「改革の第2フェーズ」と位置づけているが、景気変動への機敏な対応、新たな顧客価値の創造を中枢に据え、ゴム産業界での「断トツ」を目指した取り組みを一層推進する。
 この「断トツ」に関して、津谷CEOは「当社の事業の中で、トップでないものも数多くある。こうした事業を拡大させることが狙い」と付け加えた。
 主な取り組み内容は、タイヤ戦略商品・事業の拡充。これは市販用ランフラットタイヤの拡充、高性能タイヤ(UHP)の拡充、冬用タイヤの拡充など。TB用タイヤではリトレッドを活用したソリューションビジネスのグローバル展開、さらに建設・鉱山用ラジアル(ORR)の拡充を進める。
 多角化事業では防振ゴム、ベルト、ホースゴムクローラ、免震ゴムなど、強みを生かして成長が期待できる事業領域の拡大を図る。グローバル展開では米州における建築資材事業の拡大など。
 中計における業績目標は、ROAを最も重視した経営を行い「12年度にROA6%を達成させ、中計では更に上を目標に改善を図りたい」(津谷CEO)とし、売上高は今後5年間は年平均5%超の成長、営業利益率は早期に10%を達成させ、更に上を目指す方針。設備投資計画については、年平均2500億円を実施、全体の5割はタイヤ戦略投資に配分する予定。
 海外タイヤ生産は、中国でPSRの増産、ポーランドでPSR、TBRの増産、新設としてベトナムでPSRを2016年に、タイではORRを2018~2019年、インドでPSR、TBRを2014~2015年に計画している。
 現在、日中関係の悪化から日系自動車メーカーの生産が落ち込んでいるが、その影響については「当社の中国事業は順調に推移、今後も拡大が予想される。市場の重要性は変わらない」(津谷CEO)と述べた。しかし、西海COOは「販売に関するプロモーション活動については自粛しているのも事実で、活動の再開に関して様子見の状況」と需要以外のところで影響を受けていることを明かした。

津谷CEO㊨と西海COO

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