主要上場企業の第1四半期決算 8割が「増収」も収益は明暗

2012年08月27日

ゴムタイムス社

 主要上場ゴム関連企業25社の13年3月期第1四半期連結決算が出揃った。東日本大震災の影響で、売上高が大きく落ち込んだ前年との比較で、今期は25社中20社が増収となったが、収益は明暗が分かれ、11社が増収増益、9社が増収減益となった。各社とも下期は需要回復を予想、通期では約7割(17社)の企業が増収増益を見込み、本格的な業績改善が期待される。
 合成ゴム大手2社(JSR、日本ゼオン)を含む25社合計の第1四半期連結売上高は8009億100万円となり、同一企業による前年同期比は24・8%増と2割強の増収となった。営業利益は519億200万円、同29・2%増、経常利益515億8200万円、同13・5%増、四半期純利益は303億9300万円、同14・5%増となり、収益面は2ケタ増となった。
 業績の内訳をみると「増収増益」企業が11社(44%)、「増収減益」企業が9社(36%)、「減収増益」企業が1社、「減収減益」企業が3社、決算期変更で対比なしが1社。この結果、増収企業は20社に達し、8割の企業が増収となった。
 昨年は震災の影響で自動車関連メーカーの工場が被災、サプライチェーン寸断による生産停止となり、とくに4―6月期は生産が大幅にダウンし、売上高も大きく落ち込んだため、今期は大幅な増収企業が目立った。
 一方、収益面は販売数量では回復を示したものの原材料価格の高騰や為替円高による輸出採算の悪化などにより業種・製品別に明暗が分かれた格好。
 25社中20社が増収となったが、伸長率をみると昭和ホールディングスの108・3%増をトップに豊田合成(61・0%増)、東海ゴム工業(40・9%増)、西川ゴム工業(27・0%増)、櫻護謨(17・7%増)、フコク(17・2%増)、NOK(11・8%増)、JSR(10・2%増)が2ケタ増となった。増益企業では豊田合成が黒字回復したほか、西川ゴムが大幅増益、朝日ラバーが138・4%増、相模ゴム工業(109・9%増)、東海ゴム工業(74・2%増)、フコク(44・9%増)などが大きく収益を伸ばした。
 今後の需要動向については、国内は震災復興需要の本格化、海外では欧州市場は厳しさが続くものの米国市場、中国・アジア市場の回復が期待され、通期の業績予想は25社中23社が増収を見込んでおり、このうち17社が増収増益で、本格的な業績改善が見込まれている。
 なお、豊田合成、NOK、バンドー化学、西川ゴム工業、タイガースポリマー、藤倉ゴム工業、日東化工、不二ラテックス、朝日ラバー、相模ゴム工業、JSRの11社は2ケタの増益を計画している。

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