日本ゼオン 合成ゴム売上高5・7%増に  営業利益は販売数量減響く

2012年08月07日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンの2013年3月期第1四半期連結決算は、売上高651億8700万円、前年同期比2・3%減、営業利益は65億9300万円、同44・3%減、経常利益57億3600万円、同50・8%減の減収減益決算となった。

 売上高は合成ゴムは価格改定により増加したが高機能材料の光学フィルム材料の需要低迷により落ち込んだ。営業利益は販売数量減、原材料価格高騰、円高、高機能材料の収益悪化が響いた。
 エラストマー素材事業部門は売上高が449億5500万円、同2・2%増、営業利益は63億4800万円、同34・8%減の増収減益となった。
 エラストマー素材の合成ゴムの国内販売はタイヤや自動車関連の需要が旺盛であったことから堅調に推移し、販売数量、売上高ともに前年同期を上回ったが、輸出販売は、特殊ゴムが中国景気の減速やヨーロッパ向けの落ち込みにより販売数量、売上高ともに前年同期を下回った。米国子会社では欧州需要の低迷により販売数量、売上高ともに前年同期を下回った。合成ゴムの販売数量は徳山工場の定期修理もあり、7万3000トン、同3・1%減と前年同期を下回ったが、売上高は原材料価格高騰に対応した価格改定が寄与し、307億9700万円、同5・7%の増収となった。 営業利益は販売数量減、海外市況軟化、円高などにより減益となった。
 合成ラテックスの国内販売は、樹脂改質用途やNBRラテックスの手袋用途が低調で、売上高、営業利益ともに下回った。
 高機能材料事業部門は売上高が112億9600万円、同19%減営業利益41億円の赤字となった。 高機能樹脂関連では、光学用途および医療用途向け樹脂の国内外需要が低迷し、販売数量、売上高とも前年同期を下回った。高機能部材関連では、モバイル向け光学フィルム等が堅調に推移した一方、世界的な市況の悪化を受け、テレビ向け光学フィルムの需要が大きく落ち込んだ。
  化学品関連では、合成香料および特殊化学品が欧米での需要低迷及び円高の影響を受けた。
 通期の業績見通しについては、原材料のナフサ価格及びブタジエン価格もここへきて上昇傾向にあり、自動車のエコカー減税終了後の反動やアジア市場の需要低迷が懸念されるとしながらも、通期業績予想は据え置いた。

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