帝人 外販用DMT生産設備を増強

2012年07月18日

ゴムタイムス社

  帝人(大八木成男社長)は17日、外販用テレフタル酸ジメチル(DMT)を生産・出荷するための設備を増強すると発表した。

 同社では、1964年に自社生産に用いる原料としてDMTの生産を開始している。また、1980年代になり、DMTの長期保存を可能とするフレークス形状の生産技術を確立したことから、これを契機としてDMTの外販を開始した。その後、さらに外販に適した形状の生産技術を確立し、生産増強を重ねたことにより外販の規模は拡大しており、現在では年間23万トンのDMTの生産能力に対し、外販用DMTとして加工・生産する能力が年間5万トン規模となっている。近年、DMT固有の特性を活かした用途が明らかになったこと、今後、さらなる需要の伸びが想定できることから、外販用の生産・出荷設備の増強を決定した。

 今回の設備増強により、同社は外販用DMTの生産規模において世界トップクラスとなり、現在約50億円の外販による売上を、2016年には約3倍に拡大する計画。

 DMTは、混合キシレンから生産される石油化学原料で、エチレングリコールなどと重合することにより、ポリエステル繊維、ポリエステルフィルムなどの生産に用いる、ポリエチレンテレフタレート(PET)の原料として使用される。
 かつてDMTは、PET原料として広く使用されていたが、現在では、設備技術の汎用化の過程で設備の大型化が進んだテレフタル酸(PTA)が汎用PETの原料として主流となっており、世界におけるPET原料の大半はPTAが占めている。

 こうした中、世界市場におけるDMTメーカーの数は減少傾向にあり、中でもDMTを外販するための体制を整えているメーカーは数社に限られているが、他方、DMTには、「低温での機能粒子添加が可能」「溶剤に溶けやすく反応させやすい」「中性であることから添加剤の機能阻害などが少ない」などの固有の特性があり、現在はそれらの特性を活かして特殊ポリエステルや、エラストマー、接着剤、その他耐薬品性に優れるガラス代替素材など、その使用が不可欠な特殊化学品原料用途に向けて市場展開している。中でも、特に競合メーカーが少ない日本やアジア地域を中心に多数の引き合いがあり、需要の伸びが期待されることを背景として、今回、松山事業所のDMT工場内に外販用DMTの生産・出荷設備を1系列増設することとなった。

 同社は、DMTの年間生産能力は23万トンで不変とし、外販用DMTの年間生産能力を、現在の5万トンから10万トンへと倍増する方針。投資額は約10億円、着工時期は2012年10月、稼働時期は2013年4月を予定している。

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