オイレス工業 橋梁用ダンパーBMーSが堅調推移 既設橋の耐震補強を強化

2012年05月31日

ゴムタイムス社

橋梁用ダンパーBMーSが堅調推移 既設橋の耐震補強を強化

オイレス工業

東京都港区港南一丁目6番34号
WEB https://www.oiles.co.jp/

 オイレス工業㈱は土木用分野で橋梁用のゴム支承、ダンパーなどを開発・製作し、安全な街づくりで貢献している。また建築用分野では安全と安心な快適な建物目指し免震・制震装置も展開している。
  昨年の動向は「震災の影響で土木関係の発注が低下し、建築用ではお客様の免震・制震意識が高まり、設計の見直しを行う物件も増えてきている。土木分野関係は今期から引き合いが増えてくるのではないか」(同社)。
 橋梁分野で同社は橋梁用ダンパー「BMーS」に注力している。特徴はコンパクトで、かつ製品ラインナップが豊富であるため、要求性能に応じたダンパーを必要な数、設置が可能。また高減衰性能で地震力と地震時の変位を小さくすることを追求した。
 同製品は耐震補強に用いる場合、付帯工事が少なく経済的で施工のコスト縮減に寄与する。具体的には既設橋の耐震補強については、固定・可動形式の橋の可動橋脚に同製品を適用することで、地震力を可動橋脚にも分散し、固定橋脚の負荷を軽減。また可動橋脚の耐力にあわせた抵抗力を自由に選定することができ、高いエネルギー吸収性能により、地震力の低減と変位抑制を図る。さらに既設支承を取り替えずに耐震補強を行うことも可能になった。新設橋にも対応している。
 同製品は国土交通省NETIS登録品(No.QSー060010ーV)であり、設計者やコンサルタントにも好評を得ている。(NETISの有用な新技術として設計比較対象技術の指定取得済)
 「BMーSは東北地区で多く採用されている。昨年の震災でも安全性が確認された。現在ではおよそ350橋の実績があり、最近では北海道新幹線の鉄道橋にも初めて採用された。今後は既存の耐震補強物件の増加を見据えて営業を強化していきたい」(同社)。
 一方、建築用分野では、鉛プラグ入り天然積層ゴム型免震装置「LRBーS」に注力する。特徴は角型のため耐火被覆などが容易で低コスト化でき、従来のLRBの性能を維持するとともに、駆体と免震装置の経済的な設計ができるエコノミーデザインになっている。同製品は荷重支持および振動絶縁機能としての積層ゴムと、エネルギー吸収機能(ダンパー)としての鉛プラグを一体化した免震装置であり、コンパクトで設置スペースをとらず施工性を訴求した。今後は橋梁分野では耐震補強の強化を推進し、建築用分野では既存の製品に高付加価値を追求し、研究開発も進めていく中で、ユーザーの要望に対応して営業を強化していく。(2012年5月28日紙面掲載)

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