ニッタの3月期決算 営業利益は4割増益

2012年05月22日

ゴムタイムス社

 ニッタの2012年3月期連結決算は、売上高544億3800万円、前期比5・5%増、営業利益18億1500万円、同41・5%増、経常利益57億800万円、同5・2%増の増収増益となった。当期純利益は47億6400万円で同1・2%増。
 損益面は、増収や継続的なコスト削減などで改善が進み、営業利益は4割の増益となり、経常利益は持分法適用会社において半導体関連での需要減や円高による為替換算で持分法投資利益が減少し、小幅な増益にとどまった。最終利益は税制改正に伴う繰延税金資産の取り崩しの影響もあり、微増となった。
 〈ベルト・ゴム製品事業〉
 主力のベルト製品は、中国を中心としたアジア地区で繊維機械業界向けを中心に堅調に推移したが、欧州では金融機械業界向けなどが軒並み低迷した。国内では半導体・液晶市場の設備投資抑制に伴う装置メーカーや関連のロボット分野の減産もあり低調に推移。ゴム製品では、工作機械向けのシール製品が堅調に推移、OEM向け免震ゴムや道路用資材は、補修物件などの受注により堅調に推移した。
 以上の結果、同事業の売上高は220億4500万円、同2・6%減、営業利益18億6300万円、同3・5%増となった。
 〈ホース・チューブ製品事業〉
 建設機械、工作機械、産業車両向け油圧ホース製品は国内、アジア、北米とも堅調に推移。一方、一般空圧市場および半導体・液晶業界向けチューブ製品は設備投資抑制の影響により低調。自動車部品では乗用車向け燃料用チューブは東日本大震災やタイの洪水の影響から前期並みで推移したが、トラック向けエアブレーキ製品は震災からの回復が早く、好調に推移した。
 以上の結果、同事業の売上高は201億9700万円、同7・9%増、営業利益9億5100万円となった。
 〈その他産業用製品事業〉
 空調製品は、医薬品製造用途などのクリーンルーム需要に支えられ好調に推移。メカトロ・センサ製品は、自動車業界の設備投資の回復を背景に堅調に推移した。また、感温性粘着テープは、主要需要業界であるセラミックコンデンサ業界の在庫調整の影響で低調に推移。
 以上の結果、同事業の売上高は89億6400万円、同29・8%増、営業損失3億2200万円となった。
 次期の連結業績は、売上高は560億円、営業利益20億円、経常利益54億円、当期純利益48億円を予想している。なお、新たに策定した中長期経営計画「V2020」の初年度として、営業利益率を高めるための施策を確実に実施していく。

 

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