帝人 中国に商品開発センターを新設

2012年04月20日

ゴムタイムス社

 帝人㈱は18日、中国に原糸やテキスタイルの商品開発拠点「帝人(中国)商品開発センター」を新設すると発表した。

 テキスタイル生産拠点である南通帝人有限公司の敷地内に開発センターを新設し、ポリエステル繊維事業としての研究開発機能の充実を図るとともに、現地企業との密な連携により開発を推進することにより、成長市場である中国市場における需要の取り込みを加速していく。

  世界における合成繊維の生産量は年々増加しており、その中で中国が約70%のシェアを占めている。また、日本の繊維製品輸入量においても中国製品が70%強を占めており、合成繊維市場においては中国が圧倒的な地位を確立している。また、中国は個人消費の規模において、2020年には世界第2位となる見通しだが、その中で、中国においては繊維製品に対する高機能化の要望が一段と高まっている。

 同社はこうしたビジョンを具現化する一環として、本年3月には中国化学繊維工業協会と、中国の化学繊維産業と関連産業の発展、および中国における帝人グループの繊維事業の発展に向けて包括的に相互連携することを合意し、今後、中国化学繊維工業協会が紹介する現地の有力企業と様々な分野で事業化を推進していく。こうした中、帝人グループが培ってきた繊維技術を、成長市場である中国でより効果的に活用し、中国における化学繊維産業および帝人グループの繊維事業の発展に貢献するため、このたび、原糸やテキスタイルの商品開発拠点を中国に設置することとした。

一方、帝人グループは、本年2月に発表した中長期経営ビジョン「Change for 2016」において、アジア・新興国を重点地域として地域ポートフォリオを変革することとしている。中国については、従来の「重要生産拠点」という側面に加え、「重要市場」としての位置づけを明確にし、現地企業との戦略的アライアンス、生産・開発拠点の拡充、環境ビジネスの推進などにより、事業を拡大していくことを目指している。

 【帝人株式会社 常務執行役員 福島 敏秀 製品事業グループ長 のコメント】

 今回の「帝人(中国)商品開発センター」の設立により、成長著しい中国市場において、日系企業はもとより、現地企業を含む多様な要望に対してスピーディーに応えることが可能になると考えている。中国の第12次5ヵ年計画において、戦略新興産業に指定されている化学繊維産業の高付加価値化・差別化などの推進に向けて、同社の技術や知見を活かしたソリューションが大いに貢献できるものと確信している。

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