【免震ゴム特集】 日本インシュレーション 耐火被覆システム「めんしんたすけ」に注力

2012年04月16日

ゴムタイムス社

耐火被覆システム「めんしんたすけ」に注力 利便性を訴求することで利用の幅を拡大

日本インシュレーション

 日本インシュレーション㈱(大橋健一社長)は耐火性、保温断熱性、耐久性、調湿性に優れるけい酸カルシウム材料を建築分野、プラント分野、素材分野、土木分野などへ製品を展開している。
 免制震分野では中間層免震装置向けの耐火被覆パネルを製造。中間層免震でビルの中間階に設けられる免震階は、駐車場や倉庫などに利用されるケースが多いという。
 最近の動向は「減少傾向かとも予測したが、2011年度から震災の影響で免震装置の引き合いは増えてきており、2012年度は全体的に増加基調と見込んでいる」(金子一郎執行役員)。
 同社の免制震分野の製品は柱・免震装置耐火システム「めんしんたすけ」シリーズ。柱の免震支承に対し、けい酸カルシウム板を設置する耐火被覆システムで、すでに「耐火3時間」の国交省・耐火構造認定を平成17年2月に取得している。最近は「天然ゴム支承系のめんしんたすけーNとめんしんたすけーN2を中心に引き合いが増えてきている」(同)。
 同社のけい酸カルシウム耐火被覆板は鉄骨建築物の耐火被覆に用いられているが、従来の吹きつけロックウール工法のような現場施工がほとんど要らず、品質と環境に配慮されているのが大きな特徴の一つ。
 またこのけい酸カルシウム材は軽量であるため、免震装置に取り付ける際、作業性が高いのが利点だという。機能面のポイントは、①耐火設計は「仕様設計ルートA」で設計可能②優れたデザイン性③メンテナンスのしやすさが特徴。基材となるけい酸カルシウムは「ゾノトライト結晶」という熱に強い独自の結晶を使用している。
 同製品はRC造柱を中心に展開しているが、SRC造柱にも対応できる体制がある。
 現在は国交省の耐火構造認定は「天然ゴム支承」と「高減衰ゴム支承」の2タイプに限られているが、今後とも同製品シリーズの適応可能な積層ゴム免震装置の大臣認定番号などのラインアップを増加していくことでユーザーの対応に応えていくという。
 同社の従来商品では天然ゴム系積層ゴム免震装置用耐火被覆システムを2種類、高減衰ゴム系積層ゴム免震装置用耐火被覆システムを1種類品揃え、従来商品3種は全てルートAで適用が可能。昨年開発された柱・弾性すべり支承免震装置耐火被覆システム「めんしんたすけ―S」で計4種類となった。新製品はルートC(耐火設計法による大臣認定を受ける方法)で適用可能。
 「国交省が進めている、すべり支承免震装置を被覆する耐火システムの耐火試験方法の制定が整えば、認定取得を行い、拡販展開していきたい」(同)。
 同社はユーザーの免制震装置の認知度が高まるなか、天然ゴム支承用の開閉式耐火パネルの「めんしんたすけN」と固定式同パネルの「同N2」高減衰ゴム支承用の「同HD」の3つで引き続き仕様の拡充を図っていく。

(2012年4月16日紙面掲載)

めんしんたすけシリーズ

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