【免震ゴム特集】 東洋ゴム化工品 独自の軟らかい高減衰ゴムに注力

2012年04月16日

ゴムタイムス社

独自の軟らかい高減衰ゴムに注力 設計者の認知度向上を図る

東洋ゴム化工品

  • 東京都新宿区天神町10 安村ビル5階
  • TEL: 03-3235-1711
  • WEB: http://www.toyo-ci.co.jp/

 東洋ゴム化工品㈱は、免震こそが地震の脅威から人を建物を財産を守る最良の手段と考え、積極的に建築免震ゴム事業を続けている。

 トーヨー建築用免震積層ゴム支承のラインアップは、高減衰ゴム系積層ゴム支承(HRB・SHRB)、天然ゴム系積層ゴム支承(NRB)、弾性すべり支承(SLB)の3種類。このうち減衰機能一体型であるHRB・SHRBタイプを主力と位置づけ、販売・製品開発の両面で積極的な施策を繰り広げている。

 同社の建築用途別にみた納入実績はマンションの比率が一番高く、事務所、病院、工場公共施設など幅広い分野の免震建築物で適用実績をもつ。

 販売の主力と位置づけている高減衰ゴム系積層ゴム支承の持ち味は、ダンパーの併用が不要で単体でも使用可能、あるいはダンパーが少量で済む点。また他社高減衰積層ゴムにはない「軟らかい」製品(せん断弾性係数G=0・35N/mm2)をもつ点が特長。これにより、地震時に建物に伝わる地震力の大幅低減が可能となり、より高い免震性能を発揮する。

 一般に積層ゴムはある程度の荷重がないと変形しにくく、低層で軽量の建物などには不向きとされていたが、注力する高減衰ゴム系積層ゴム支承のHRB-G35シリーズは業界髄一の低剛性を誇り、低層の建築物でも免震効果を発揮できる。

 最近の動向では、「全体の動向として08年、09年リーマンショックがあり、建物自体低迷した状況だったが、ここにきて昨年の東日本大震災以降、あらためて地震対策と免震に対する意識・認識が高まっている。その結果、案件や問い合わせが増えてきている。最近では倉庫をはじめとする大型物流施設や工場等の施設へも用途の展開がなされてきており、病院、庁舎等の公共施設やマンション等の従来用途からの拡大がみてとれる。」(同社)。

 今後、建築免震ゴムの市場においては十分な伸びしろが期待できると見込み、免震積層ゴムの東洋ゴムとして、更なるシェア拡大を図っていく。

 さっそく、今年の2月に新材料認定を取得し、せん断弾性係数G=0・29N/mm2の天然ゴム系積層ゴム支承を新製品として投入した。これで更なる製品ラインアップの拡充を果たした。

 最大の課題としているのは普及を図り、市場を拡大させること。採用を決定する設計者に、性能とコスト面におけるメリットがまだ十分に知られていない面があるため、継続的な活動としては、展示会などに参加しながら従来以上に一般ユーザーも含め、幅広い設計者へ向けてHRB、SHRBシリーズをPRし、販売促進に力を入れていく。

(2012年4月16日紙面掲載)

同社のテクニカルセンター(免震ゴム使用)

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