【ベルト特集】 フォルボ・ジークリング・ジャパン 印刷・紙加工分野に期待

2012年03月29日

ゴムタイムス社

接着剤が不要に 専用ツールでベルト交換が可能

 樹脂ベルト専業メーカー、フォルボ・ジークリング・ジャパン㈱は、印刷関連の総合展示会である「IGAS」に初出展し、印刷・製本、段ボールなど紙関連機械ユーザーから高い評価を得た。
 「エクストレマルタス」の紙関連機械向けシリーズのうち、ポリエステル帆布を心体とする「Eライン」と、ポリウレタンの単体構造の「エラスチック」の2つの製品ラインから厳選した20種類のベルト製品のサンプルを組み込んだパンフレットを「サンプル帳」として配布。また、ベルトを現場で簡単に接着できるツールの展示も行った。
 同社はIGASで、紙関連機械向けのベルト製品に触れてもらい、最適なベルトの選択がもたらす機械のスムーズな稼働や印刷製品の高品質化などのメリットを訴求した。また、専用ツールを使うことで機械メーカーに頼らず、自らの手で簡単にベルト交換ができることを紹介した。こうしたシステム提案に、多くの来場者が共感したという。
 「Eライン」は、ベルトを接合する際に接着剤が不要で、使用環境の温度の変化による寸法変化が非常に少ない。一般的なベルトと比較すると寸法安定性に優れ、小プーリー径にも対応しやすく、現場での交換の際のエンドレス接着作業も簡単。一方の「エラスチック」は「Eライン」同様、接合の際に接着剤が不要である特長を持ちつつ心体がないため、伸縮性に優れるという特性がある。小径プーリにベルトを多本掛けする用途に適する。これら2つの製品ラインに、同社の持つ様々な表面加工技術を組み合わせることで現場の課題を解決することができる。
 同社では、ベルトによる課題解決策とともに、コスト削減から、エンドレス接着の内製化を可能にするツールの提案も進めている。両端加工用の「パンチカッター」と接着剤を使用しない溶着を可能にする「ベルトツールセット(BTS)」からなる「ハンディ・エンドレスツール」の拡販に注力する。
 一般的に普及しているベルトは、交換時のエンドレス作業の際、ベルトの両端をくさび状に削る作業が必要な上、両端に接着剤を塗布して加熱する必要があり、接着完了まで時間を要していた。さらに、作業者の熟練度により接着精度が異なるなどの問題も指摘されていた。
 同社が提案するツールは、接着剤を使わない「Z接着」と呼ぶ熱溶着方式。現場で、短時間(1本の接着時間は約15分)で簡単に正確にベルトをつなぐことができる。機械稼働中のベルトトラブルによる停止時間が短時間で済み、現場で作業が完了するためコスト節約にもつながる。(2011年10月24日紙面掲載)

接着剤が不要となる「ベルトツールセット(BTS)」

接着剤が不要となる「ベルトツールセット(BTS)」

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