【再生ゴム特集】 大栄護謨 サイクルネットワークを構築

2012年03月21日

ゴムタイムス社

特集企業・再生ゴム・各社の現況
カークエスト 東洋事業部村岡ゴム工業大栄護謨

 大栄護謨

 リサイクルネットワークを構築 梱包用テープ、粘接着需要が回復

 再生ゴム製造、販売及び、環境リサイクルを目的とした、ゴム再生加工を行っている大栄護謨(本社=大阪市生野区)。 滋賀工場で再生ゴム月産800㌧、練り加工月産250㌧の生産能力を有する。マレーシア海外子会社でも生産を行っている。 
再生ゴムは加硫ゴムを化学的および物理的に処理して、再び可塑性と粘着性を付与し、原料ゴムと同様に使用できるようにしたもの。加工性を良くして能率の向上に役立ち、耐老化性、 耐磨耗性を良くするなどの特性を持った一つの優秀なゴム材料であり、その特性が高く評価され、幅広い用途に使用されている。
 近年、リサイクルの問題が大きな社会的課題となっているが、同社は早くから限りある資源のリサイクルに着手し、再生ゴムの主力製品「DAIREC」を世に送り出して40数年の歴史と実績を誇っている。
足元の需給状況は、震災の影響により梱包用テープ、粘着剤需要が一時落ち込んだが、ここへきて需要が回復しつつあり、主力のブチル再生は布粘着テープやルーフィング用途の需要が拡大、インフラ整備関連でのホース向け需要もあり震災前までの生産量を確保しているとしている。
 また、近年、同社が注力している「マテリアルリサイクル」の推進については、同社内の技術研究開発室で安定品質の再生条件をテストしながらコストを抑えた製品のサンプル出荷を行っており、供給不足となっていたEPDM製品での引き合いが活発化。「将来を見据え、リサイクルを真剣に考えなければならない今こそ、再生ゴムの特性を理解し最大限に利用していくべき時」とし、半世紀にわたる再生ゴム製造技術を生かし、各ゴム工場での廃棄ゴムを再生ゴムに加工し、ゴム製品として再利用するゴムリサイクルのネットワーク構築を進めている。

 主力ブランド 「DAIREC」中心に展開

「DAIREC」は、加硫ゴムを化学的および物理的に処理することにより弾性を取り去り、再び粘着性と可塑性を与え、元の未加硫ゴムに戻したもの。新ゴムに比べ「DAIREC」は粘着性、可塑性、練り加工性、押出し特性、耐老化性などに優れた特性を持つゴムであり、新ゴムとブレンドして使用され加工性を良くして工程の能率を向上したり、テープの粘着剤、接着剤やシーリング材の主原料として粘着性や可塑性などの特性を発揮。包装資材、土木建築資材、その他ゴム工業用品など広い分野で活用されている。
 主力ブランド「DAIREC」には天然ゴム系「DAINAREC」とブチルゴム系「DAIBUREC」、「DAITAC」があり、天然ゴム系「DAINAREC」及びブチルゴム系「DAITAC」は種々テープの粘着剤や接着剤の主原料として使用されているほか、また、ゴム板や型物等へのブレンドゴムとしても使用されている。ブチルゴム系「DAIBUREC」は防水シート、ルーフィング、防食テープ等の主原料として使用されている。(2012年3月12日紙面掲載)

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