BASFの11年の業績 売上高15%増の735億ユーロ

2012年03月01日

ゴムタイムス社

 BASFの2011年業績は、過去最高となった前年の水準を大幅に上回る売上高と利益を計上し、資本コストを大きく上回る利益を再び達成した。売上高は、すべての地域において増加し、前年比15%増の735億ユーロ。特別項目控除前EBITは、4%増の84億ユーロ、EBITは約11%増の86億ユーロとなった。

  BASFのDr.クルト・ボック取締役会会長は、「2011年もまた、BASFは大きな成功を収めた。これを受けて、配当金はこれまでの積極果敢な方針を継続し、2.50ユーロという、これまで以上に高額の配当金を年次株主総会で提案する。これは、前年の実績と比べると0.30ユーロ、13.6%の上昇となる」と述べた。

  2011年第4四半期の売上高は約181億ユーロで、2010年第4四半期、2011年第3四半期のいずれと比べても増加した。しかし、過去1年間の景気の減速を反映し、特別項目控除前EBITは、2011年第4四半期比14%減の15億ユーロとなった。2011年下半期の初めに見られたトレンドが継続し、顧客は発注に対してより慎重になり、在庫を削減した。また、今後の景気悪化で、価格が軟調に推移することを見込み、発注が先延ばしとなった。

  BASFのDr.ハンス-ウルリッヒ・エンゲル最高財務責任者(CFO)は、営業キャッシュフローが好調であることを強調し、「営業キャッシュフローは71億ユーロとなり、高水準だった前年を再び上回った」と述べた。これには、純利益の増加が大きく貢献した。事業の拡大と販売価格の上昇に伴い、正味運転資本は増加した。

  有形および無形固定資産に関する支出(設備投資)は34億ユーロで、前年の水準を8億6200万ユーロ上回った。2011年に開始した重要な設備投資としては、中国・南京の自社拠点の拡張、ルイジアナ州ガイスマーのメチルアミン・プラントの建設、ベルギーのアントワープに建設したオレウム・プラントと、欧州の天然ガス・パイプライン・システムの拡張が挙げられる。

 

  2012年に見通しについて会長のボックは、「2012年、世界経済は緩やかにスタートしたが、今後年間を通じて加速していくと予想している。欧州と米国を中心としたソブリン債危機に伴う先行き不透明感は、成長見通しに影を落とすと考えられるが、新興市場を中心に、化学業界は再び、その勢いを増す見込みだ」と話した。

  買収や事業売却の影響を除き、BASFは販売量の増加を目指す。売上高と特別項目控除前EBITについては、過去最高となった2011年の水準を上回ることが目標で、リビアでの原油生産の再開と、化学品事業の販売量の増加が、利益を後押しすると考えている。 BASFは2012年、世界全体での研究開発費を17億ユーロに増額する計画(2011年:16億ユーロ)。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー