JSR2011年3月期連結中間決算

2010年11月08日

ゴムタイムス社

JSR㈱の2011年3月期連結中間決算は売上高1703億1500万円、前年同期比19・ 1%増、営業利益200億7900万円、同510・2%増、経常利益214億7900万円、同591・1%増となり、四半期純利益は133億1500万円 (前期4億4800万円の赤字)の黒字転換が図られた。
売上高はリーマンショック後の08年度上期対比で82%程度レベル。売上原価は販売数量の伸びで前期を上回ったが、販売管理費、固定費の削減に努めた結 果、収益の底上げが図られた。営業利益は08年度上期対比では77%レベルで改善余地が残っているとしている。
石化事業全体の売上高は1047億8800万円、前年同期比30%増、営業利益は前期赤字から79億1200万円に黒字化が図られた。合成ゴムは自動車 生産の回復でNBRが大きく伸びたが、EPDMは能力制約もありユーザーの要望に応えられず若干減少。
自動車タイヤ生産の回復でエマルジョンSBR、IRなどの汎用ゴムはじめ低燃費タイヤ向けS―SBRの需要も増加し販売数量が大きく回復した。アクリロ ニトリルの価格上昇に対応した価格改定が6月にNBR、7月にABS樹脂が決着し、売上高増に寄与した。収益面ではコストダウン・プロジェクト 「E―100」の推進が寄与。
多角化事業は売上高655億2700万円、前年同期比5・4%増、営業利益121億6700万円、同41・5%増の増収増益となった。多角化事業は第 2・四半期の8月以降、LCパネルメーカー減産の影響及び期途中の急激な円高の影響を受け、第2クォーターは売上高、営業利益ともに減少している。半導体 材料は売上高が10%増。足元はパソコンのアメリカ、欧州向けの販売不振で価格が下落して減速感があるが、半導体全体では堅調で日本、アジア向けもほぼ計 画並で欧米も若干上回っている。
下期はスマートフォン、多機能携帯端末のアプリケーション、ウインドーズ7の需要拡大で上期並の環境と見ている。フラットパネル・ディスプレイ材料の売 上高は6%増。8月頃から日本、台湾のパネルメーカーの生産調整が続き、需要は減速気味で下期は上期に比べれば若干厳しい見通しとしている。
通期の業績見通しは売上高3400億円(前期比9・6%増)、営業利益380億円(同87・8%増)、経常利益405億円(同81・0%増)、当期純利益260億円(同90・5%増)を見込んでいる。

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