モルテン 年頭所感 民秋清史社長 

2012年01月16日

ゴムタイムス社

 株式会社モルテンは多くの方のご尽力に支えられ、昨年度の社長交代を経て、二度目の正月を迎えることができました。 昨年度は「継続と確認、そして熟考」を方針として掲げ、これまでの組織、事業、経営計画などを継続し、経営者が変わっても全ての業務が従来通り滞りなく遂行されることを確認いたしました。2011年で「継続と確認」の年は終わり、2012年を本当の意味での新生モルテン元年と捉えております。
 我々は最初の一歩として『コミュニケーションの深化』を方針としてあげました。世の中の変化のスピードは激化しており、これまで例をみない事態が頻発しております。将来を予測することは困難であり、過去の成功例に基づいて行動することは危険ですらあります。モルテンはこのような環境下において、未来を予測するのではなく、起こった変化に素早く対応する『変化に強い組織』を目指しています。その為に必要となるのは現場の自主判断機能です。例えるなら知らずに熱いヤカンを触った時に、脳が指示を出さなくても脊髄反射で、まず手を離す、そこから手を治療するのか、冷めるまで待つか、あるいは最初に熱いお茶を楽しむのかを考えることで、致命的な失敗を避け、チャンスを掴むことが狙いです。その脊髄反射に必要なものは自律神経です。企業を人にみたて自律神経とは何かを考えた場合、それは人と人のコミュニケーションではないかという考えに到達致しました。社内のコミュニケーションを一度、深く考え直し、明確な『指示』を出し、『報告、連絡、相談』を日々徹底し、『対話』による情報交換と信頼関係を醸成し、専門家同士の『議論』を活発に行える組織の土台を一年間通して構築します。これが変化に強い新生モルテンの第一歩です。それと同時に各事業戦略も進めてまいります。

■スポーツ用品事業
 昨年はFIFA女子ワールドカップTM2011ドイツ大会での、なでしこジャパンの優勝が日本中に大きな勇気を与えました。スポーツの持つ大きな力を改めて実感した瞬間でした。2012年は待望のロンドン五輪が開催される年であり、モルテンのバスケットボール(GL7/6)がこの世界最高峰の大会で使用されることは、我々が誇りとするところです。また、エキップメントでは、狙い通り正確なラインが引けるラインカー『レーザーライナー』ほか、数多くの新製品を投入してまいります。
 2012年もスポーツ用品事業の約束事である『For the real game』の実現を目指し、プレーヤーの意志と技術が100%発揮されるための競技用ポールとスポーツエキップメントの開発・生産・販売を推進していきます。

■自動車部品事業
 近年の自動車業界は環境に配慮するという傾向が顕著化しています。そういった環境下でモルテンができることは我々のゴム・樹脂のコア技術を活かし、自動車の燃費性能向上を目的とした軽量化への提案を進めていきます。同時に競争力を高めるための低コスト化技術開発および部品性能を追求した高機能技術開発にも力点を置いていきます。また、加速する自動車業界のグローバル化に対応するため、日本、アメリカ、タイ、中国、ドイツという拠点を最大活用し、世界最適調達も推進していきます。
■医療・福祉用品事業
 超高齢化が進む日本において、医療&福祉分野の事業の重要性は年々高まっています。モルテンは『From the inside out』を医療・福祉用品事業の約束事とし、自立支援、離床支援、寝たきり対策までの広い範囲で社会貢献を目指します。これからの日本は『医療介護』と『生活介護』の必要性と、並行して高齢者の方や患者様のQuality Of Life(生活の質)を高めることが重要になります。その中で昨年は、体位保持用クッション『ミント』や、安心感と安全性を向上させた床置き型手すり『ルーツ』を発売しました。これからも人間の生命・尊厳・健康に関わる事業として、モルテンがこれまで培った研究開発、モノづくり、品質保証、そして問題解決提案型の営業ノウハウを投入していきます。本年もスポーツ用品、自動車部品、医療・福祉用品という三本柱を最大活用し、広島を拠点とする製造業としてオンリーワン、ナンバーワンを目指し躍進してまいります。

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