朝日ラバー 医療用ゴム製品受注は好調 自動車関連部品が低調推移

2011年11月28日

ゴムタイムス社
説明する横山社長

説明する横山社長

 ㈱朝日ラバーの2012年3月期中間連結決算は売上高が23億7400万円、前年同期比1・3%減、営業利益5800万円、同36・5%減、経常利益3800万円、同40・8%減の減収減益となった。

 同社グループは、事業領域として自動車・情報通信・医療介護の各分野への経営資源の集中を図り、ユーザーの視点に立ったものづくりを進めるとともに独自の開発製品の販売拡大に注力してきた。収益面では、震災による原材料調達難や一部得意先からの受注減、更に原材料価格上昇とあいまってコストアップとなった。7~9月期は医療製品の新製品の純増、自動車関係の受注回復、工場の原価低減推進が寄与し、第1四半期に比べ利益率が向上した。

 部門別では、工業用ゴム事業は、スポーツ用ゴム製品の売上は順調に推移。特に反発弾性、高摩擦抵抗などを追求した高品質の卓球ラバーが好調で売上高は同23・5%増となった。一方、自動車メーカーの減産の影響により、主にASA COLOR LEDを始めとした自動車関連製品の受注が減少した。

 この結果、工業用ゴム事業の連結売上高は17億7400万円(前年同四半期比11・7%減)。またセグメント利益は6700万円(同60・2%減)となった。

 医療・衛生用ゴム事業では、同社開発品の医療用ゴム製品の受注が順調に推移したことに加え、新たな開発製品の拡販活動により受注が順調に推移した。特に点滴輸液バッグ用ゴムや真空採血管用ゴム栓などの使い捨てのディスポーザブル用ゴム製品が連結売上高推移で51・3%増の伸びを見せている。また昨年9月に工場増築で対応した新規得意先の薬液充填済み注射器用ガスケット(プレフィルドシリンジ)の受注が好調に推移したという。この結果、医療・衛生用ゴム事業の連結売上高は5億9900万円(同51・2%増)。またセグメント利益は1億600万円(同159・4%増)となった。

 海外戦略として、2012年に中国・上海に販売会社を設立予定。同社が100%出資し、場所は中国上海内。資本金は未定となっている。新会社は2012年4月事業開始予定であり、営業販売業務だけではなく、設計や技術提案を含めた活動を展開する。販売は照明関連製品を中心に行う。なお、同社は海外向け売上高比率を2014年3月期に20%まで高めるという。

 通期業績予想は平成23年8月10日に公表した業績見込みを修正した。売上高は48億2000万円とし、照明向け製品の新製品の受注が好調であることや医療用ゴム製品の受注が引き続き堅調に推移する見込み。

 一方、タイで発生した洪水の影響による自動車関係のゴム製品の受注見通しが不透明であることから業績予想数値に対して微増と見込み、また利益面では営業利益が2億200万円、経常利益が1億4100万円、当期純利益が8300万円としている。

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