日本ゴム工・資材問題で講演 「合成ゴム、薬品らの需給・価格動向」

2011年02月25日

ゴムタイムス社

「11年前半、世界的原材料不足は、中国景気が好調を維持する限り問題は続く―」。日本ゴム工業会は16日、東京・東部ビルで講師に加藤事務所加藤進一 社長を迎え「合成ゴム・薬品類などゴム原材料に需給と価格の動向」をテーマに、ゴム関連各材料の高騰と供給問題を解説した。120分講演、終了後、質疑に 応じた。参加者は35人。 講演は1.天然ゴム高騰問題2.EPDM不足問題が焦点。
主なテーマは、①天然ゴムの市場11年=10年11月から急騰中。この3ヵ月で㌔300→㌔500円と異常な高騰が続き、史上最高値を更新中。トレーダーも予想が立たぬ市況に入った。 ②ゴム原材料市場 11年=国内合成ゴム需給:年初よりやや回復。中国需要は昨対比20%増加中、タイ向けも増加。メーカは能力100%で生産するが不足。アジア日系外のユーザ向け輸出は供給カットの事態に。特にEP、CR、HNBR、SSBRが非常に不足。 ③同市場 11年=アジア合成ゴム需給:韓・台湾・タイ・インドネシアは好調持続。アジアの合成ゴムメーカはフル操業中。特にSBR、BRが不足。春は アジアで「定修」が重なる。中国は需要がさらに増え同合成ゴムは国内で完売、輸出余力はゼロ。同国内の合成ゴム価格はアジア・日本相場より高く、日本の国 内合成ゴム価格が世界一安い。 結果として11年中国も、景気好調が続く限り原材料不足は慢性化。玉不足と値上がりは続き、天然ゴムの超高値は2年は続く。合成ゴムメーカは儲かる SSBRしか増設せず、新プラント償却には㌔50円値上げが必要。不足原材料の購入は、余力のある米国・EU品が検討対象になるだろうなどと語った。

講演者の加藤進一氏

講演者の加藤進一氏

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