ムーンスター第84期 5期ぶりに黒字回復  ハウスブランド好調

2011年10月18日

ゴムタイムス社

 ㈱ムーンスターは10月4日、2011年6月期決算(第84期)を発表した。売上高は322億9500万円、初期の計画322億8700万円を上回る結果となったが、前期比4・7%の減収となったが、経常利益は4億1100万円、当期純利益は、今回の震災関連の損失を計上したが一方で、関係会社からの受取配当金を計上したことにより、3億4900万円となり、黒字化した。
 84期は前期に引き続き①商品力の向上②ナショナルチェーン&GMSとの取組強化③小売展開の拡大④海外展開の拡大をテーマに事業推進。ハウスブランドは好調に推移し、重点取組先もほぼ前年実績を達成した。結果として国内小売、海外ともに前年を大きく上回ったが、スポーツブランド市場低迷の影響を受け、売上高は減収となった。
 利益面は、利益率の高いハウスブランドの拡売とロス削減等により、利益率は大幅に改善し、労務費及び経費も計画通り削減した結果、経常利益は5期ぶりに黒字化し4億1100万円となった。

〈部門別の販売状況〉
 布靴は、引き続きスーパースター「バネのチカラ」が好調で、それに牽引される形で新製品の販売が順調に推移した。学校用品は、主要な販売時期である3月に大震災が発生して販売に大きな影響があったが、2月までの実績と4月での挽回で前年を上回る実績を確保した。
 革靴はトーニングシューズの「カロリーウオークプラス」が順調に売上げを伸ばし、「ワールドマーチ」、「スポルス」も堅調な販売が続いた結果、ほぼ前年並みの実績を達成した。
 MSブランド商品群は、スポーツブランド市場の低迷を受けて売上げが伸び悩み、前年を下回った。

 コンバース商品も、同様に市場の低迷を受け前年を下回ったが、ニューバランス商品は厳しい市場環境ながら前年を上回った。
 同社は4ヵ年の新中期経営計画を84期からスタートし、初年度は利益を確保することができたが、一部海外工場の閉鎖や東日本大震災の影響で需給バランスが乱れたことにより、前期に比べ在庫が増加した。在庫の適正化を再度強化し、引き続き最重点課題として取り組んでいく。

 今後も更に、商品・販売・調達の全分野で「選択と集中」を徹底し、継続して利益を確保することで、社会に貢献できる企業を目指す。次期(第85期)の業績予想は、売上高310億円、経常利益4億円を計画している。

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