藤倉ゴムの中社長が会見 福島原発事故の影響を懸念

2011年07月11日

ゴムタイムス社

中 光好社長

藤倉ゴム工業㈱は7月1日、東京・五反田の本社において中光好社長が出席して記者会見を開き、前期(2011年3月期)の業績概況並びに東日本大震災の影響と復旧状況、今期(12年3月期)の事業方針などを語った。 ―震災の影響について。 中社長 福島県相馬市に位置する原町工場および小高工場が被害を受けた。小高工場は 高台にあり津波の影響はなかったが、福島原発の事故から警戒区域となり、現在も立ち入る ことができない状況。
事業再編の旗頭であった小高工場は操業再開の見通しが立たず、一刻も早い事故の収束 と警戒区域解除がなされることを願っている。 生産面では臨時的に㈱デンソー東日本が所有するカーエアコンの工場を借り、田村工場とし て5月後半に設備を導入し、6月に全ての設備の移設が完了し、震災前の状態に戻すことが できた。 ただし、契約は1年ごとで長期にわたり借りることは難しく、当社としてはこの1年の間に恒久 的な対策をとる必要がある。 ―小高工場の先行きは。 中社長 原発の事故の収束が前進しているのか、確認できない状況で、小高の地域を開放 して住民が住み、工場の稼動ができるようになるまでは相当時間を要するのでは。小高の新 工場が立ち行かなくなっていることから、損金を計上して東京電力などに負担してもらえるよう 、書類を整えて準備を進めている。 ―業績動向について。 中社長 産業用資材は、工業用品部門の自動車関連製品がエコカー減税などにより、制御 機器部門も液晶市場の回復により前期は好調に推移した。引布部門はトラック関連のゴム部 品などが順調で売上げを伸ばすことができた。しかし、印刷材料部門は構造的な業界の低迷 、さらに円高による輸出採算の悪化などで厳しい環境となった。 スポーツ用品は、登山用のキャラバンシューズが好調に推移したが、ゴルフ用カーボンシャ フトは個人消費低迷から苦戦した。震災後もゴルフの自粛ムードが広がり、影響している。 ―海外子会社の状況は。 中社長 米国のIERフジクラはコストダウンを推進し、自動車関連業界の復調もあり、11年1 月から3月までみると黒字基調への転換を実現した。杭州藤倉は中国の経済成長とともに発 展を続けており、今後もニーズに対応するため同じ浙江省安吉に現地法人、安吉藤倉橡膠有 限公司を設立、現在は工場建屋の準備を進めている。生産品目は工業用品だ。ベトナムのフ ジクラコンポジットも順調に推移した。 ―事業再編としてエンジニアリングセンターを建設されました。 中社長 新しく岩槻工場内に設立し、1月18日に竣工式を行いセンターが始動した。岩槻、 原町、小高3工場と閉鎖を決めた大宮工場に分散していたエンジニアを集約し、技術の集積地 として活用していく。 情報の共有化を進め、技術総合力を高め、技術面での迅速な課題解決や新製品開発を一 層加速させたい。 ―今期の業績目標について。 中社長 マーケットの動きとしては、産業用品部門は自動車、給湯機器などの工業用品が伸 びることが予想され、メディカル、除振分野での制御機器、電力・情報通信分野での電材に期 待する。引布部門は引き続き小型トラック用の需要が旺盛で、スポーツ部門はシャフトの新製 品を積極投入し需要喚起を図りたい。通期の連結業績目標は、売上高260億円以上、営業 利益12億円以上を目指す。 ―震災を経験されて。 中社長 多くの人にご支援をいただき、大変感謝している。当社も大きなダメージを受けたが 、私どもの機能部品としての価値を改めて再認識することもできた。現在は気を張って仕事 、仕事と突き進んでいるが、従業員の心のケア、メンタルな部分を企業としても背負っていくこ とが大切だと痛感している。 地域性の高いところに工場があり、地域の和を大切にしているの で、その連携、連帯を守っていきたい。

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