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プラスチックの衝撃破壊メカニズムと耐衝撃性向上

ゴムタイムス社

趣旨

 プラスチックの成型品の弾性率、強度等の特性は負荷の速度に大きく影響される。ゆっくりとした負荷では塑性変形を起こして大きく延性的に変形するプラスチックでも、早い速度での衝撃的な変形では小さなひずみで脆性的に破壊する。脆性的な破壊はそれが開始してから私達が力を製品から除いても破壊を止めることはできない。一方延性な製品は破壊が開始したときそれから力を除くと変形はその時点で停止する。プラスチックの成型品は、脆性的な破壊を起こすより延性的に変形する、言い換えるとタフであることが製品を安心して使用するには優れている。

 プラスチック成型品の形状そしてその製品に用いる高分子材料にどのような改質を施せば、衝撃的な負荷での脆性破壊を抑制し、信頼性に優れたとタフである製品が設計出来るであろうか。それを知るにはプラスチック成型品の塑性変形と破壊の機構を学ぶことが必要である。本セミナーではプラスチックの破壊機構とそれに基づくタフニングを紹介する。

日時 2016年06月27日10:30~16:30
地域 東京都
会場 東京・品川区大井町 きゅりあん 5階 第2講習室 会場地図
講師 山形大学 名誉教授 石川 優 氏
受講料 48,600円
主催会社 サイエンス&テクノロジー<S&T>
お申込み

プログラム

はじめに

1.固体高分子材料の弾性変形

2.高分子材料の塑性変形と破壊機構

 2.1 結晶性高分子材料の塑性変形
 2.2 非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
 2.3 ソフトニングとネッキング
 2.4 配向硬化
 2.5 延性破壊
 2.6 変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
 2.7 クリープ負荷での塑性変形

3.高分子構造材料の衝撃破壊(脆性破壊)の機構
 3.1 ひずみの拘束による応力集中の機構
 3.2 ボイドの形成によるぜい性的な破壊
  3.2.1 非晶性高分子の性的な破壊ぜい
  3.2.2 結晶性高分子のぜい性的な破壊
 3.3変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
 3.4 切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによるぜい性破壊
 3.5 アルミニュウム合金の破壊との比較
 3.6 高分子材料の破壊条件と破壊力学

4.デサインの調整による強度設計
 4.1 非晶性ガラス状高分子(ポリカーボネィト(PC))の強度設計
  4.1.1 PC構造体の破壊条件の推定
  4.1.2 種々の境界条件でのPC構造体の強度の予測
 4.2 結晶性高分子(ポリオキシメチレン(POM))の強度設計
  4.2.1 POMの破壊条件の推定
  4.2.2 種々の境界条件でのPOM構造体の強度の予測

5.微細構造の調整による強度設計
 5.1 高い数平均分子量はクレイズ強度を改善する
 5.2 低い粘度で高いクレイズ強度を実現するには分子量分布の幅を狭くすれば良い
 5.3 立体規則性の欠陥 を少なくするとクレイズ強度は改善される
 5.4 共重合によるクレイズ強度と降伏応力を改善して性ぜい破壊を抑制する

6.ひずみの拘束の解放によるタフニング
 6.1 ボイドによる体積弾性率の緩和とひずみの拘束の解放
 6.2 エラストマーのブレンドによるタフニングの効率に影響する因子
  6.2.1 分散相の強度を小さくすればタフニングの効率は改善される
  6.2.2 複合構造を持つエラストマーによる剛性を維持したタフニング
  6.2.3 マトリックス樹脂の配向硬化は適切に
  6.2.4 熱可塑性エラストマーを分散相にするときには相溶性は程々に
  6.2.5 熱可塑性エラストマーとマトリックス樹脂の粘度比は適度に大きく、
      相溶性は等方の分散相の形成に必要な程度にする
  6.2.6 表面劣化によるぜい性化のエラストマーブレンドによる抑制
 6.3 他の体積弾性率の緩和によるタフニングの試み

7.高い剛性と高いタフネスが両立した複合材料の設計
 7.1 無機微粒子のブレンドによるタフニング
 7.2 繊維の充填によるタフニング
  7.2.1 繊維と樹脂が過剰に強い界面強度を持つ場合
  7.2.2 繊維と樹脂が適切な強度ではく離する場合のタフネス
   7.2.2.1 はく離強度がタフネスに及ぼす効果
   7.2.2.2 繊維のアスペクト比がタフネスに及ぼす効果
   7.2.2.3 繊維への締め付け力がタフネスに及ぼす効果
 7.3 界面強度の調整によるタフネスの改善の例

□ 質疑応答 □